週刊海外テックWatch

Soraの失敗が示すもの Disneyとの「夢の提携」はなぜ崩れたか

 OpenAIが映像生成AI「Sora」のサービス終了を決めた。Web・アプリ体験は4月26日、APIは9月24日に終了する。ChatGPT以来最大の注目作と称され、Disneyとの歴史的な提携まで実現していたSoraが、なぜわずか半年で幕を閉じることになったのか。「計算リソースの限界」という現実に押しつぶされた経緯を、複数のメディアが内幕を交えて報じている。

「夢の提携」の突然の幕引き

 Soraが初めて世界に公開されたのは2024年2月のことだ。テキスト(プロンプト)から生成したとは思えないほどリアルな映像は世界を驚かせた。同年12月にはWebで一般公開され、共同創業者兼CEOのSam Altman氏はその瞬間を、ChatGPT初公開になぞらえた。

 その提携相手として名乗りを上げたのが、エンターテインメントの巨人Disneyだ。当時のCEO、Bob Iger氏はAltman氏とともにCNBCに出演し、「Samが創ろうとしているものに、われわれも加わりたい」と述べたとLos Angeles Timesは伝えている。

 発表された提携の内容は、ミッキーマウスを代表とするDisneyのキャラクターをSoraのユーザーが使えるようにするというものだった。Disneyは10億ドルの出資も約束した。AIに懐疑的だったハリウッドに対して「AIと共存する道」を示す象徴的な取り組みとなるはずだった。

 しかし、それから4カ月もたたないうちに、OpenAIはSoraの打ち切りを決めた。Wall Street Journal(WSJ)によると、「Disneyの幹部の多くが、発表の1時間足らず前にようやくその決定を知らされた」という。10億ドルの出資は実行されることなく、OpenAIとDisneyの関係は事実上の休眠状態に入った。

 Los Angeles Timesのコラムニスト、Michael Hiltzik氏は「DisneyとOpenAIは10億ドルの提携がハリウッドの未来におけるAIの重要性を証明すると考えていた。だが、その不名誉な崩壊は、まったく逆のことを証明した」と記している。