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京都橘大学、学生向けデスクトップ仮想化基盤にピュア・ストレージのオールフラッシュストレージを導入

 ピュア・ストレージ・ジャパン株式会社は23日、京都橘大学のデスクトップ仮想化基盤として、ピュア・ストレージのオールフラッシュストレージ製品「FlashArray 405」を導入したと発表した。システムは、主に学生向けのクライアントサービスの提供を目的に、2016年4月に本格稼働を開始している。

 京都橘大学の学生向けクライアントサービスは、従来、クライアント端末へサーバー上に保存されている単一のOSイメージをダウンロードするネットブート型で提供されていた。

 このシステムでは、PCの立ち上げからログイン画面に進むまでの過程や、ログインそのものに3分程掛かってしまうなど、利用者の利便性に課題があり、学生が授業前の休み時間中にPCを立ち上げなければならないなど、円滑な授業進行の面でも障害となっていたという。また、授業に必要な新しいソフトウェアを導入する際に、コンピュータ教室の一時利用停止や夜間休日での対処を余儀なくされるなど運用面での負荷もあり、既存のシステムがリプレースの時期を迎えたことから、仮想デスクトップ環境の構築が検討された。

 デスクトップ仮想化基盤構築にあたっては、事前の検証によりストレージが重要であることや、HDDベースのストレージではログイン時間の課題が解決できないことが分かっていたため、オールフラッシュストレージとハイブリッドストレージの双方の検討を2014年11月に開始した。

 検討当初はオールフラッシュストレージが高額であることや、耐久年数に懸念があったが、ピュア・ストレージのオールフラッシュストレージ製品の持つデータ削減機能や、高いI/O性能とコストパフォーマンス、ピュア・ストレージの独自のアップグレードモデルやサポート体制を評価し、2015年6月にピュア・ストレージの「FlashArray 405」の採用を決定。2016年4月に導入が完了し、現在では300台分の仮想デスクトップが安定的に稼働しているという。

 FlashArrayシリーズの導入により、授業直前などPC起動が集中する場合、ログインするまでに3分近くがかっていた時間が80秒程度に短縮され、学生の利用効率が向上。運用管理においても、管理コンソール画面でデータ削減率や圧縮率を可視的に確認できるため、シンプルかつスムーズな運用を実現した。

 また、高効率・高パフォーマンスのインライン重複排除および圧縮機能により、通常のストレージに収容する場合と比較して15分の1程度までデータを削減。当初の設計では想定していなかった用途にもストレージを活用することが可能になったとしている。

 京都橘大学では、今後も学生の利便性向上のため、仮想デスクトップ端末数を増加させ、PC環境にアクセスできる教室やフリースペースも増やしていくとともに、現在は学生向けだけとなっている仮想デスクトップ環境を大学職員向けへの拡大も検討しているという。