仮想化道場
メモリスロットに挿すフラッシュストレージ~サンディスクが開発したULLtraDIMM
(2014/2/28 06:00)
ULLtraDIMMの構成
ULLtraDIMMは、SanDiskのフラッシュメモリとコントローラ、さらにDiablo Technologiesが開発したDDR3メモリインターフェイスと、フラッシュコントローラを接続するチップなどによって構成されている。
ULLtraDIMMのベースとなるMemory Channel Storageというコンセプトと技術を開発したのがDiablo Technologiesで、フラッシュメモリやコントローラ、インターフェイスチップを入れ、DIMMとして製造したのがSanDiskになる。そしてIBMが、ULLtraDIMMをSystem x3850 X6で採用した。
メモリ規格としてはDDR3 1600MHzが採用されている。ULLtraDIMMのメモリ容量としては、現状では1枚あたり200GBもしくは400GBで、19nmプロセスで製造したMLCタイプのフラッシュメモリが使用されている。
信頼度を考えれば、MLCタイプのフラッシュメモリで大丈夫なのか?と思ったが、SanDiskによれば、問題ないそうだ。フラッシュメモリを製造している企業だからこそ、MLCのメリット/デメリットを把握した上でフラッシュコントローラを開発しているため、MLCタイプでもエンタープライズのリクエストに足る高い信頼性を実現しているという。
また、SanDiskの子会社Smart Storage Systemsが開発したGuardianテクノロジーを採用することで、フラッシュドライブのすべての容量を毎日10回書き換えたとしても、5年間運用できる信頼性を持たせた。なおGuardianテクノロジーでは、エンタープライズレベルの高い信頼性を実現するために、コンシューマ用のMLCタイプフラッシュメモリとは異なった、高い信頼性を持つMLCタイプフラッシュメモリを採用している。
ULLtraDIMMのパフォーマンスとしては、ランダムアクセス性能はリードが150K IOPS、ライトが65K IOPS、書き込みレイテンシは5マイクロ秒以下と、レイテンシはPCIeのフラッシュストレージカードの1/400に高速化されている。転送速度は、リードで1GB/秒、ライトで760MB/秒と非常に高速化されている。