週刊海外テックWatch
Metaがクラウド外販事業に進出? その“皮算用”に浮かび上がる疑問
2026年7月6日 11:24
AWSの「Bedrock」型とCoreWeave型、二正面の計画
Bloombergによると、Metaのクラウド構想には主に二つの柱がある。一つは、自社のインフラ上でホストする各種AIモデルへのアクセスを外部の開発者に販売するというもので、AWSの「Bedrock」に似た形態だ。対象には、4月に発表したクローズドウェイトの自社モデル「Muse Spark」も含まれるという。
もう一つは、CoreWeaveのような「ネオクラウド」企業と同様に、生の計算能力そのものの販売だ。AWS、Azure、Google Cloudのハイパースケーラーは、自社クラウドへのアクセスを貸し出して、四半期ごとに数百億ドルの収益を生む事業に育ててきた。これを自社でもやろうというものだ。
新規事業は、1月にスタートした「Meta Compute」と呼ばれる取り組みの一環になる。インフラ部門トップのSantosh Janardhan氏、「Meta Superintelligence Labs」を率いるDaniel Gross氏、そしてMeta社長のDina Powell McCormick氏が主導しているという。
AI事業と連携する形で進めるクラウド外販には、投資家の懸念を払拭する狙いがある。CNBCは、MetaのAI投資への巨額支出と同社株について、投資家が改めて確信を持てるだけの材料をMetaが示した、との見方を伝えている。フリーキャッシュフローを圧迫し続けてきたAI投資が、広告一本足だった収益構造に新たな柱を加える可能性が出てきたということだ。
ただし、これまでパートナーだったネオクラウドとは競合関係になる。Meta株が跳ね上がった同じ日、同社へのクラウド提供で契約しているCoreWeaveの株値は13.92%、Nebius株は17.01%、それぞれ下落した。D.A. DavidsonのマネジングディレクターGil Luria氏はReutersに対し、Metaに頼って成長してきたこれらの企業について「Metaはもう彼らを必要としなくなるかもしれない」と述べている。