週刊海外テックWatch

巨大AI投資が金融市場を揺るがす ハイパースケーラーは借金経営へ

バブルが弾ける?

 巨大なAIインフラ投資の影響は、生活から世界経済にまで及ぶ。

 データセンターが立地する地域では、電力需要が急増して、住民や他の企業との間であつれきを生んでいる。同時に建設資材や賃金の高騰、労働力確保の困難も起こっている。

 PCユーザーに身近なところでは、メモリ価格が高騰している。半導体メーカーがAI用広帯域メモリ(HBM)に生産を集中して、汎用DRAMの供給が逼迫しているためだ。

 だが、問題はそれだけにとどまらない。Reutersは、「最も見過ごされている重大リスクは、AI主導のインフレ」だと指摘する。半導体や電力価格の高騰、そして過熱した投資自体が経済全体の成長を再加速させ、インフレを再燃させる一因になるとする。

 このとき中央銀行が「引き締め」に転じ、もし市場が期待してきた利下げサイクルを終了させるとすると、いよいよ危機がやってくるという。

 大手資産運用会社のRoyal London Asset Managementのマルチアセット部門責任者、Trevor Greetham氏は、Reutersにこう語っている。「バブルを刺す針は、おそらく金融引き締めによって実現するだろう」