“特急開発”ツールの進化系
Part 1:基幹系開発の最新傾向
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■現状への不満やツール類の成熟が独自開発意欲を掻き立てる
手づくりで基幹系システムの再構築に挑戦する企業が増える傾向にある。 戦略的な業務要件を基幹系に思う存分盛り込みたいという強い思いや開発環境の成熟が、多くのユーザー企業を独自開発の道に向かわせている。
■【実態】“手づくり”意向が強まる~2割が「独自開発を増やす」
来期にIT投資を増加させるという企業の内訳を見ると、パッケージ利用よりも自社開発の方が目立っているという状況が明らかになった。
アイ・ティ・アール(ITR)が2010年11月に発表した「国内IT投資動向調査2011」によると、有効回答446社のうち18.9%が、来期は社内リソースによる独自開発の投資を増やすと回答(図1-1)。外部委託による独自開発の投資を増やすとした企業は23.1%にのぼった(注:数値は共に「20%以上の増加」と「20%未満の増加」の合計)。
【図1-1】強まる、システムの“手づくり”意向。ITRが2010年11月に発表した「国内IT投資動向調査2011」によると、来期に向けてシステムの独自開発の投資を増やすと回答する企業が目立っている(出典:ITR「国内IT投資動向調査2011」) |
これに対して、個別業務パッケージとERPパッケージへの投資を増やすとした企業の割合はいずれも15%台(同)にとどまった。ユーザー企業におけるITの動向を長年見続けているITRの内山悟志社長は、「パッケージだけでは不十分という意識が広がっている印象を受ける」と話す。
もちろん、独自開発の計画がない、あるいは投資を減らすと回答した企業も少なくない。その割合は今期同様、来期も3割超の高い水準を維持する見込みだが、ユーザー企業の間で情報システムの“手づくり”意向が強まっていることは間違いなさそうだ。
2011/3/15 06:00