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「企業はマルチクラウドへ、セキュリティ懸念は後退」 クラウド利用調査

「セキュリティ」は最大の懸念事項ではなくなった

 マルチクラウドは、新しい課題ももたらしているようだ。今年の重要な変化は、クラウド利用にあたっての懸念のランキングの変動で、従来1位だった「セキュリティ」が2位に後退した。代わって1位になったのは「リソースや専門知識不足」だ。

 これは、クラウドを使い始めたばかりの"クラウドビギナー"、クラウドの活用を図る"クラウドエクスプローラー"、そしてクラウドにフォーカスする"クラウドフォーカス"の3つの分類それぞれでトップの課題だった。一方セキュリティの位置付けは、ビギナーで2位、エクスプローラーで4位、フォーカスで5位となっている。本格的に活用するほど、セキュリティの懸念が軽減していることがうかがわれる。

 リソースと専門知識のほかにも、「コスト管理」も課題となっている。コスト管理を課題に挙げた回答は、2013年では18%にすぎなかったが、徐々に増加して2016年は26%になった。

 「クラウドの管理を改善することはコスト対策に大きな効果をもたらす。使っていないワークロードを閉鎖する、低コストのクラウドやリージョンを選択するなどのクラウドのコスト最適化についてのアクションを実際にとっているところは少ない」と調査は指摘する。行っているコスト最適化対策として最も多かったのは、「利用のモニタリングとインスタンスのサイジング」で45%だった。

(岡田陽子=Infostand)