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iOS端末をエンタープライズに、そして――。 AppleとCiscoの提携

モノのインターネットに狙い?

 一方で、ユーザー企業にとってのメリットがわかりにくいという声も出ている。ComputerworldのGregg Keizer氏は内容が「あいまい」とするアナリストの声を紹介している。Jackdaw Researchの首席アナリスト、Jan Dawson氏は、Apple-IBMの提携と対比しながら、「(発表では)『高速レーン』(fast lane)などのたとえがたくさんあるが、これらが実際に何を意味するのかが不明」と述べ、「iOSのトラフィックを優先的にすることなのか? それとも、ルーティングに関することなのか?」とわかりにくさ指摘する。

 こうしたことからDawson氏は、実は提携は幅広いもので、まだ詳細を打ち出せないでいるとの見方を示した。その回答かもしれないのが、Evans氏が推測する、長期的視野から「ウェアラブルとIoTの両市場をにらんだ」提携ではないかとの見方だ。Ciscoはこのところ、IoTを戦略的な重要市場と位置付けて注力している。

 Evans氏は「(ウェアラブルとIoTでは)ネットワークの統合が重要になる」と解説。提携は最終的に「企業だけでなく、世界を変えるものになる」と予想した。そして、Cook氏の下で進むエンタープライズベンダーとの提携について「Appleの野望は始まったばかり」として、次のように言う。

 「批評家たちは、Appleは次のMicrosoftと言うだろう。だが私は、Appleのビジョンは、Microsoftがなしえた以上のものであると考えている」

岡田陽子=Infostand