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iOS端末をエンタープライズに、そして――。 AppleとCiscoの提携

 AppleとCisco Systemsが新しい提携を発表した。iPhoneなどのモバイルデバイスをCiscoネットワーク製品で最適化することなどを挙げている。Appleにしてみれば、IBMに続く、エンタープライズ分野での大きな取り組みとなる。IBMとの提携では大量のMacをオフィスに送り込もうとしており、次は企業ネットワークへのiOSの浸透を図る。その先には、さらに大きな目標を持っているかもしれない。

大企業モバイルがターゲット

 AppleとCiscoの8月31日付のプレスリリースによると、両社の提携は「ビジネスに高性能なモビリティを提供する」ことが目的で、以下の3つの取り組みに集約できる。

 1つ目は、Ciscoのルーターやスイッチなどネットワーク製品におけるiOSデバイス向けの最適化。Ciscoネットワーク技術上でiOSデバイスやその上で動くアプリの性能を最大化するエンドツーエンドのソリューションを提供するという。

 2つ目は、iPhone上にCiscoのコミュニケーション・コラボレーション技術「Cisco Unified Communications」体験を拡張する。iPhone上でCiscoの優れた音声通信技術の提供を行うとしている。

 3つ目は、iOS上での、Ciscoのコラボレーション製品体験の改善。これには新たに登場したクラウドベースのコラボレーションサービス「Cisco Spark」、TV会議ソリューション「Cisco TelePresence」、オンライン会議の「Cisco WebEx」が挙がっている。

 AppleのCEO、Tim Cook氏は「iOSは世界最高レベルのモバイルプラットフォームであり、Fortune 500とGlobal 500企業のほとんどがiOSを中心にそろえている」と述べ、Cisco会長のJohn Chambers氏は「Fortune 500企業の95%がCiscoのコラボレーション製品とネットワーク製品を利用している」と述べるなど、大企業への売り込みに自信を見せる。

(岡田陽子=Infostand)