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相次ぐクラウドベンチャーの買収 大手による統合の波

のしかかる差別化という課題

 IBMとCiscoの買収は同時に、OpenStackの未熟さ、あるいは難しさにもスポットを当てた。Computerworldは、OpenStackの可能性とともに、まだ開発途上の製品である点を指摘し、「OpenStackはソフトウェアとしてはまだ未熟で、管理機能やツール関連の開発はまだその過程にある」と述べている。そして、Ciscoが買収したPistonやIBMが買収したBlue Boxはこの問題に対応し、OpenStackの開発を加速化するものだと評価した。

 あわせてベンダーの課題として挙がったのが差別化だ。OpenStackを支援するベンダーは多く、管理の容易さなどがポイントになる。ZDNetは分社化計画を発表しているHewlett-Packard(HP)のエンタープライズ事業部の計画を報じた中で、「EMC、Cisco、IBM… どこも同じ分野にフォーカスしている。クラウド、セキュリティ、ソフトウェア、モバイルにフォーカスしないベンダーがいるだろうか?」と問いかけている。

 再編が進んだ後、各社がどのようなポートフォリオと特徴を打ち出すことができるのか。そこで、クラウドの覇者が見えて来るかもしれない。

岡田陽子=Infostand