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相次ぐクラウドベンチャーの買収 大手による統合の波

消えゆくクラウドベンチャー

 Business Insiderは、クラウド市場の統合・再編をレポートしながら、ベンチャー各社の過酷な生存競争を指摘する。大手との競合にさらされたベンチャーの中には、消えていくものもある。

 4月に閉鎖したOpenStackベンダーのNabulaはその例だ。閉鎖時、Nabulaは市場の立ち上がりの遅さに「失望した」と理由を説明していた。同社の共同創業者Chris Kemp氏は元NASAのCTOでOpenStackのオリジナル開発者の1人であり、閉鎖後、OracleはKemp氏はじめNebulaの幹部約40人の雇用と、年20万ドルから100万ドルの報酬を約束したという。

 Business Insiderは「この動向は、ハイテク市場特有の奇妙さといえる。ベンチャーキャピタルからの資金が枯渇し始めるとベンチャー企業はもがき、大企業は旺盛に参入する。そして、人材は不足している」と述べ、OpenStack分野の主要ベンチャーはほとんど「消えてしまった」と指摘する。

 また、Pistonに近い筋の話として、「巨大企業がいる市場で独立したベンチャー企業であり続けることは非常に難しい。(顧客からの関心、製品の機能や成熟度などの)特徴があったとしても、大企業に加わることが、生き残る最も簡単な方法だ」と伝えている。そして、現在主要な独立系クラウドベンチャー企業で生き残っているのはMirantisぐらいだという。

(岡田陽子=Infostand)