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次期サーバーでコンテナ技術に注力 Microsoftの挑戦

開発者を押し立てた“代理戦争”へ

 発表は、Windows Server 2016への期待を高めるものとなった。一方で、競合という点からの分析もされている。

 Business Insiderは「クラウドプラットフォームにおけるMicrosoft、Google、Amazonの三つ巴の戦いが水面下で進行中」と解説。コンテナが大きな要素になるという観点からMicrosoftの発表を分析しながら、Googleが同じ週にCoreOSに出資することが明らかになったことを取り上げた。

 CoreOSは、この発表に併せて、Googleが開発するLinuxコンテナのクラスタを管理するKubernetesを組み合わせた統合パッケージプロジェクト「Tectonic」を発表している。Business Insiderは、このような簡素化されたLinuxを作ることでコンテナの速度を最大化するという点で、MicrosoftのNano Serverも同じアプローチであると比較する。

 だが一方で、これはMicrosoftにとって「難しい綱渡りになる」と指摘する。MicrosoftはWindowsサーバーのシェアを守りたいが、コンテナ対応は開発者にかつてない選択肢を提供することになり、相反することになりかねないからだ。そして、この状況はGoogle、Amazonも同じといい、「クラウドでの覇権をめぐり、開発者を代理とした代理戦争になる」と表現している。

 WiredはNano ServerをCore OSなどLinux側の動きに倣うものと位置付けながら、「Microsoftが時代に応じて変化していることを示すもの」とする。「長い間、Microsoftは自社の考え方を押し付けてきたが、Satya Nadella氏のCEO就任以来、Microsoftは自社技術を見直し、世界の方向に合わせている」と評した。

 「モバイルファースト、クラウドファースト」のスローガンの下、Microsoftの巻き返しが続く。一方で、かつてない選択肢の提供は、同社のビジネスモデルに大きく影響する可能性もある。まさに綱渡りなのだ。

岡田陽子=Infostand