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クラウドはどう進化するか? 2015年クラウド展望

IaaSを越えて PaaS、DevOps

 CMS Wireは、企業への具体的なアドバイスを5つ挙げる。1つ目は「IaaSを超えてクラウドを活用せよ」で、PaaSの活用を勧める。「IaaSベンダーが提供するPaaSツールを活用したり、Dockerなどのオープンソースのプラットフォームを利用して、アプリケーションの構築、公開、運用ができる」としている。

 2つ目は「スマートなマイグレーション」。アプリケーションをクラウドにマイグレーションするにあたって基幹となるアプリケーションについては「急がずにクラウドに適しているかを評価してからマイグレーションを決定するように」という。レガシーのIT資産をクラウドに移行するには、再設計、合理化、簡素化が必要とする。

 そして、「クラウドを通じて体験を合理化せよ」とも助言する。「クラウドは、アプリケーションを構築するための新しいオーケストレーションレイヤーまたはデジタルの“接着剤”になった」とし、サービス指向アーキテクチャ(SOA)と同義であるとする。例えば、アプリの設定など、ユーザーデータの同期を容易にするAWSの「Amazon Cognito」を利用すれば、バックエンドやインフラなしにユーザーデータを保存でき、モバイル体験の合理化が可能になるとしている。

 あとの2つは「ビックデータ向けのクラウド」と「DevOps」だ。中でも、DevOpsは2014年にスポットが当たり始めた手法で、開発(Development)と運用(Operation)を連携して開発することで開発効率を上げることを狙う。クラウドを利用することでIT部門はハードウェアのプロビジョニングやパッチなどの作業に時間をとられることがなくなる。CMS Wireは「クラウドとDevOpsは理想的な組み合わせ」だ。

 2014年はクラウドの受け入れが進んだ年だった。2015年はコスト削減以外のメリットに焦点が移りそうだ。

岡田陽子=Infostand