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AWSがCIAの契約獲得 クラウド業界の地殻変動?

パブリッククラウドからプライベートクラウドへ

 「AWSのCIAへの進出は、クラウドコンピューティング業界における地殻変動だ」と題した記事で、Wired.comはこの動きを分析している。

 AWSやGoogleが、「パブリッククラウドこそクラウド」と主張するのに対し、古参のIBMやHPはファイアウォール内に構築するプライベートクラウドこそが企業のとるべき選択肢だと強調してきた、とWired.comは指摘する。シニア・ヴァイスプレジデントとしてAWSを率いるAndy Jassy氏は「プライベートクラウドはクラウドとは定義できない」と述べることもあったという。

 だが、今回のCIAとの契約は、プライベートクラウドにほかならない。Wired.comはこの矛盾の背景について、企業や政府の“エンタープライズ”市場では、いまだにパブリッククラウドへのセキュリティ懸念の強さを挙げる。そしてAWSは、そのために柔軟に方針を変えたと分析している。「われわれの考え方に大きな変化があったわけではない」とAWSは述べているというが、AWSのクラウド戦略に重要な変化があった、と消息筋はみているという。

 エンタープライズへの進出で柔軟路線をとるAWSの動きに、Googleなども追随するのだろうか。エンタープライズにアピールするにはプライベートクラウドでなければだめなのか――。AWSのCIA契約獲得は、クラウド業界に波紋を広げている。

岡田陽子=Infostand