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Gates氏の再登板・会長退任も? CEO探し中のMicrosoft (OEMの反発が始まった)

OEMの反発が始まった

 一方で、Microsoftがビジョンに掲げるデバイスは、長年のパートナーたちとの関係を変えようとしている。

 Microsoftは9月に2世代目のSurfaceを発表し、Nokiaの買収発表でデバイスへの“本気度”を示している。Hewlett-Packard(HP)は10月に入ってGoogleのChrome OSベースの「HP Chromebook 11」を発表した。HPはAndroidタブレット「Slate」シリーズも持つ。そしてとうとう、HPのCEO、Meg Whitman氏は、10月9日の投資家向けのミーティングで「Microsoftはライバル」と発言した。

 これはPC業界が変わりつつあるという文脈で述べたもので、「競合状況に深い変化が起きている。現在長期的なパートナーにあるIntelやMicrosoftなどは、直接のライバルになりつつある」と語った。

 PC WorldはOEM各社の動きをまとめ、Acer、Lenovoなど他社についても、ChromeやAndroidの採用が進んでいると指摘する。たとえばAcerは、Surfaceとの対決を避けるためにWindows RT発売を遅らせた。もちろんChromebook、Androidタブレットも投入済みだ。AcerのCEO、J.T. Wang氏は以前、Financial Timesに対して「(Microsoftのタブレット進出は)巨大な負のインパクトをエコシステムに与え、他のブランドがネガティブな反応をとるかもしれないとMicrosoftに忠告した」と述べていたという。

 MicrosoftウォッチャーのPaul Thurrott氏は、Whitman氏の「直接のライバル」という言葉を重視。「直接のライバルだ。競合でありパートナーである、というのではない。単に……直接のライバルだ」と指摘する。「大手パートナーとの競合において、Microsoftはコルクの栓を空けてしまった」「これは、直接の戦いだ。Microsoftに対する戦いであり、Windowsに対する戦いであり、PCに対する戦いなのだ」とThurrott氏は強調する。

 Microsoftに時間はない。Microsoftがデバイス事業を軌道に乗せる間に、OEM各社による対抗策は始まっている。既存のOSライセンス事業への影響が出始めることだろう。次期CEOは、難しい状況の中でのかじ取りを求められるのだ。

岡田陽子=Infostand