Infostand海外ITトピックス

ファッションとテクノロジーの“共通解” AppleのBurberry CEOスカウト

 Appleが、トレンチコートなどで知られる老舗ファッションブランドBurberryのCEO、Angela Ahrendts氏を小売部門トップにすると発表した。ハイテクブランドがファッション界トップを起用。しかも才色兼備の女性である。意外な感じもあるが、ブランドという観点から見るとうなずける面もある。それどころか共通点の方が多いという指摘も出ている。入社したらAppleのエグゼクティブチームで紅一点となるAhrendts氏は、Appleをどう変えるのだろう。

英国で最も稼ぐ女性CEO

 Appleは10月14日にAhrendts氏の起用を発表した。Ahrendts氏は、Appleのリテールとオンラインストア担当のシニア・バイスプレジデントという新設の役職を与えられる。直営店のApple Storeとオンラインストアの両方の戦略のかじ取りを行い、執行も統括するという。Ahrendts氏は同時にAppleのエグゼクティブチームにも参加し、CEOのTim Cook氏の直属となる。

 Cook氏はこの人事に大いに満足のようだ。9to5 Macが入手したCook氏の従業員あてメールでは、Ahrendts氏とは今年2013年1月に初めて会い、即座にAppleに加わってほしいと思ったという。「小売りとオンラインの両方を1人にリードしてほしいと以前から思っていたが、Angelaに会うまでは、これという人がみつからなかった」とCook氏は書いている。また、価値観やイノベーションへのフォーカスなど考え方が同じであること、Appleと同じように顧客体験を大切にしていることなど類似点を挙げている。

 Ahrendts氏は、ファッション界では凄腕の女性CEOで知られる。2006年にBurberryのCEOに就任して、Burberryブランドの立て直しに成功し、6年の間で売上げを3倍に増やした。Ahrendts氏の成功は年間1690万ポンド(約27億円)という高額の報酬にも表れており、ロンドン証券取引所(FTSE)の上位銘柄100社の中で最も高額報酬の女性CEO、ファッション界では女性CEOで最も報酬が高い人物といわれている。現在は英国在住ながら、出身は米インディアナ州。高校時代からのボーイフレンドと結婚して3児を持つ母でもある。

(岡田陽子=Infostand)