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GoogleがApple批判キャンペーン メッセンジャー互換性問題

欧州の規制法が動き出す

 「吹き出しの色騒動」はメッセンジャーの古い規格での争いのように見えなくもないが、意識さぜるを得ない動きがある。

 欧州連合(EU)は7月18日、巨大テクノロジー企業に対する規制の一環として準備を進めている「デジタル市場法」(DMA)を理事会で承認した。正式には「デジタル分野における競争可能かつ公正な市場に関する規則」といい、巨大IT企業の支配力を抑制するためのものだ。

 DMAは「プラットフォーマー」とも呼ばれる大企業を「ゲートキーパー」と指定して、その「コア・プラットフォームサービス」(オンラインのマーケットプレース、検索エンジン、SNS、動画共有、メッセンジャ-など10項目)にさまざまな規制をかける。

 違反に対しては「全世界の売上の最大10%、違反を繰り返せば20%」という大きな制裁金を課す。「ゲートキーパー」の条件は「EU全体で75億ユーロ(約1兆2700万円)以上の売上高」や「EU内の月間アクティブエンドユーザー毎月4500万以上、1万以上のビジネスユーザー」などだが、「GAFAM」が対象に入ることは間違いない。

 そのゲートキーパーに課す義務の一つとして「インスタントメッセージングサービスの基本機能が相互運用可能であること」がある。

 ZDNetは、欧州の動きを紹介しながら、「AppleとGoogleの意見がメッセンジャーをめぐって対立しているが、DMAはこれに新しいスレッドを加える」と述べている。

 このタイミングでGoggleがキャンペーンを始めたのは、欧州からのプレッシャーを利用したと考えてもよいだろう。

 DMAは、欧州議会の議長、EU理事会議長の署名を経て、その6カ月後に施行の予定だ。だだ、メッセージングサービスの相互運用性については「ゲートキーパー指定から4年後に保証しなければならない」となっており、まだ時間はかなりあるようだ。

 Apple、そして他のメッセンジャーのサービスプロバイダーがどう動くのか、興味深いところだ。