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締め出されるHuawei 深まる米中対立で5Gインフラへの影響も

英国ではコロナ問題でもHuaweiに逆風

 米国と密接な同盟関係にある英国は今年1月末、Huawei機器に「ゴーサイン」を出していたが、これが覆る可能性が出ている。同国政府が、5GネットワークにおけるHuaweiの機器採用の方針を見直すと報じられているのだ。

 Financial Timesによると、英政府通信本部(GCHQ)の下に置かれている「国家サイバーセキュリティセンター」(NCSC)が、米国の追加措置を受けて緊急調査を進めているところで、「英国の5Gネットワーク供給でHuaweiが果たす役割に深刻な意味を持つかもしれない」という。

 1月の政府決定では、5Gのコアネットワーク以外で35%以下ならHuaweiの機器を使えることになっていた。同国で展開する主要4キャリアのうちEE、Three、Vodafoneの3社は既に5GネットワークでHuaweiの機器を採用している。見直しとなると、キャリアは大きな負担を強いられる。

 しかし、新型コロナ対策で大きな被害が出ている英国では、中国への非難とともにHuaweiに強い逆風が吹いている。

 庶民院(下院)国会外交問題委員会委員長のTom Tungenfhat議員はFinancial Timesに対し、「ウイルスが選択肢を明らかにする」「独裁政権を持つところと取引をすると、技術を輸入するだけでなく、彼らの価値観も輸入して彼らの政治に依存するコストを負うことになる」と述べている。

 これは中国政府が新型コロナを早期に封じ込めることができなかったことを責める発言と取れる。同紙は、今回の見直しは1月時よりも地政学上の考慮が大きくなる、との見方が政府内にあることも紹介している。