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クラウド開発プラットフォーム「Pulumi」 元Microsoftの開発者らが立ち上げ

 「クラウド開発のプログラミングモデルをもたらす」。そんな言葉をひっさげて、オープンソースのクラウド開発プラットフォームを提供するベンチャー企業、Pulumiが登場した。使い慣れたプログラミング言語を使ってコンテナやサーバーレスコンピューティングを利用できるのが売りだ。創業者は元Microsoftの開発者で、幻のOS開発プロジェクト「Midori」に携わった人物だ。

慣れたプログラミング言語でモダンクラウドを構築

 Pulumiは約1年間ステルスモードで活動した後、6月18日に社名と同じ製品名のプラットフォームを発表した。マルチ言語、マルチクラウド対応のクラウドソフトウェア開発プラットフォームで、開発者とDevOpsチームがクラウドネイティブのソフトウェアを構築・開発できるという。コンテナ、AWS Lambdaなどのサーバーレス、仮想マシンなどさまざまな技術を利用でき、プライベートクラウド、パブリッククラウドの両方に対応する。

 開発者が使い慣れたプログラミング言語でクラウドアプリケーションを構築できるのが特徴だ。Pulumiの共同創業者でCEOのJoe Duffy氏は「Pulumiを使うと、ローレベルのIaC(infrastructure-as-code)から、非常に生産性の高いモダンなコンテナやサーバーレスのアプリケーションに至るまで、お気に入りの言語を使用してクラウドプログラムを作成できる」と説明する。

 同氏によると、「モダンなクラウドソフトウェアの構築は難易度が高く、特別なスキルが必要」で、クラウドでサーバーレス機能を使うには、JSONやYAMLの膨大な定義ファイルを扱わねばならないが、Pulumiを利用すれば、より簡単に、迅速に開発できるという。

 言語は、JavaScript、TypeScript、Python、Goをサポート。JavaとC#についても対応に向けて作業を進めているという。クラウドプラットフォームはAWS、Microsoft Azure、GCP(Google Cloud Platform)と3大パブリッククラウドに対応し、Kubernetesもサポートする。

 プレスリリースでは「現実のプログラミングモデルを使ったクラウド開発体験というものを最考した。(Pulumiによって)開発チームはクラウドソフトウェアをより迅速に提供して、コラボレーションを進めることができる」(Duffy氏)とメリットを強調している。

 Pulumiは同日、Madrona Venture Group、Tola Capitalなどから500万ドルの資金調達をしたことも発表した。