Infostand海外ITトピックス

“オープンソースコミュニティの中心部”がMicrosoftに 75億ドルのGitHub買収

GitHubの活用法

 両社が大詰めの買収交渉を行っていることは、まず6月1日付のBusiness Insiderが報じた。GitHub買収は、Microsoftにとって製品と顧客の両面から多くのメリットがあり、「AWSに対抗する重要なツール」になると位置づけている。

 GitHubではさまざまな開発が行われているが、開発したプログラムを大規模なクラウドで実行させるのは難しい。そこで、MicrosoftがAzureクラウドをGitHubと緊密に統合し、開発者が簡単に、プログラムをクラウドにアップして実行できるようにすれば、開発者はGitHubをもっと愛し、GitHubがAzureをもっと利用するようになる――。こうした“一石二鳥”効果が期待できるとBusiness Insiderは解説する。

 MicrosoftウオッチャーのMary Jo Foley氏は、同社の広報担当者に「いつ、AzureにGitHubを移動するのか」と質問したが、「この点について提示できる話はない」との答えだったとブログで紹介。さらに、どのようにGitHubが活用されるかの方向を挙げている。

 ひとつは、GitHubが持つプライベート・コードリポジトリ製品だ。オンプレミスの「GitHub Enterprise」は、企業が自社のファイアウォールの中で利用できる。CNBCによると、GitHubのエンタープライズ製品は、昨年10月時点で売上1億ドル超を達成した。Microsoftは自社のチャンネルと営業部隊を活用して企業向けに売り込む計画という。

 もう一つは、昨年オープンした開発ツールのオンラインストア「GitHub Marketplace」の活用だ。新CEOに就任するNat Friedman氏は電話会見で、「Microsoftは自社の全ての開発ツールとサービスをGitHub Marketplaceに置く計画だ」と述べている。同社は、よりシームレスな開発のため自社のコードエディタ「Visual Studio Code」を提供する予定だ。