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韓国取引所にサイバー攻撃 急騰する仮想通貨取引に狙い
2017年7月10日 09:04
Bitcoinなど仮想通貨を取引する韓国の取引所がサイバー攻撃を受けたことが明らかになった。関係者は顧客データが漏えいしたことを認めており、約100万ドルの損失を被ったとする顧客もいるという。仮想通貨には将来の通貨との期待が高い。日本でも今年4月に仮想通貨法が施行され、正式に決済手段として認められたところだ。“通貨”として、少しずつ市民権を得ている一方で、取引や価格の乱高下が続くなど、まだ黎明期にある。
韓国最大の仮想通貨取引所に攻撃
7月3日付の韓国の聯合ニュース(Yonhap)によると、同国最大の仮想通貨取引所Bithumbがサイバー攻撃を受けていたことが分かった。
Bithumbは、Bitcoinや「Ether」などの仮想通貨の売買ができる取引プラットフォームで、1日の取引高は3120万ドルにのぼるという。韓国の仮想通貨取引の55%を占める規模で、グローバルでも5本の指に入る。特にEtherではリーダー的存在とされている。Etherは、スマートコントラクトや分散型アプリケーション構築のためのプラットフォーム「Ethereum」で使われる仮想通貨で、世界でBitcoinに次ぐ取引高がある。
韓国メディアによると、攻撃で顧客の約3%に相当する約3万1800人分の顧客データが流出した可能性があるという。内容はメールアドレスや携帯電話番号などで、パスワードは流出していないという。Bithumb内部のネットワークなどは攻撃の影響を受けていない模様だ。
この攻撃の入り口になったのはBithumbのサーバーではなく、Bithumbスタッフの自宅のコンピューターと伝えられている。攻撃が行われたのは今年2月だったが、Bithumbがインターネット規制機関である韓国情報保護振興院への届けたのは6月30日で、確認まで4カ月もの時間を要したことになる。
BBCによると、Bithumbのユーザーが今年6月、認証情報の入手を試みるような電話やテキストメッセージを受け取ったという。またFortuneなど複数のメディアは、サイバー攻撃によって12億韓国ウォン(約1億2000万円)の損をしたというBithumbの顧客の投稿が、韓国のソーシャルメディアサービスNaver.cafeであったと報じている。
Bithumbは7月3日、データ漏えいの被害に遭った顧客全員に1人10万韓国ウォン(約1万円)を支払い、個別の被害額も補償すると約束した。