クラウド&データセンター完全ガイド:プロダクトレビュー DCを支える黒子たち

性能強化と容量効率向上が図られた予測分析フラッシュストレージ――HPE Nimble Storageオールフラッシュアレイ/ハイブリッドフラッシュアレイ

弊社刊「クラウド&データセンター完全ガイド 2018年夏号」から記事を抜粋してお届けします。「クラウド&データセンター完全ガイド」は、国内唯一のクラウド/データセンター専門誌です。クラウドサービスやデータセンターの選定・利用に携わる読者に向けて、有用な情報をタイムリーに発信しています。
発売:2018年6月30日
定価:本体2000円+税

 日本ヒューレット・パッカード(HPE)は2018年5月22日、同社のストレージプラットフォーム「HPE Nimble Storage」の新シリーズとして、「HPE Nimble Storage オールフラッシュアレイ(AF)」と「HPE Nimble Storage ハイブリッドフラッシュアレイ(HF)」の両シリーズを発表した。

写真1:HPE Nimble Storage オールフラッシュアレイ(出典:日本ヒューレット・パッカード)

新世代規格NVMe/SCMをサポートしてパフォーマンスを強化

 HPE Nimble Storageは、HPEが2017年11月に買収・統合した米ニンブルストレージの技術を継承した製品ファミリーで、フラッシュストレージと予測分析を活用することで99.9999%を超える可用性を実現している。「HPE InfoSight」によるクラウド監視/予測分析により、サポートが必要となる問題点やトラブルを自動検知し、問題の86%を予測して解決できることをアピールしている。

 新シリーズでは、NVMe(NVM Express)と、NANDフラッシュよりレイテンシを1/10に抑えるSCM(Storage Class Memory) をサポート。アナリティクスやオンライン取引などのリアルタイム性が求められるアプリケーションの要求を満たすように設計されている。HPEは、すでに2018年1月から「HPE 3PAR StoreServ」でもSCMをサポートしており、長期的なストレージ強化を計画しているユーザーに対し、SCMやNVMeへのスムーズな移行を支援する体制を整えている。

 また、マルチクラウド環境全体でフラッシュファブリックを利用可能にし、プライマリ/セカンダリストレージおよびパブリッククラウド間でワークロードを柔軟に展開できるようになった。加えて、オンプレミス/オフプレミス間のデータ移行・管理も容易にしている。

 AFシリーズは、従来製品と同様、99.9999%超の可用性、HPE InfoSightによる予測分析を提供するうえで、パフォーマンスを最大65%高速に、スケーラビリティを2倍に向上させている。HFシリーズは、ハイブリッドフラッシュとセカンダリフラッシュを1つのアレイに統合。ハイブリッドフラッシュは、新たにインライン重複排除をサポートしている。セカンダリフラッシュはバックアップやDR(災害復旧)用で、開発時の品質保証/テストやレポート作成などの用途が想定されている。こちらも従来製品に比べて、最大1.6倍のパフォーマンス向上と最大3倍の価格性能比を実現している。

容量効率向上を図れる「HPE Store More Guarantee」

 新シリーズの投入に伴い、HPEは、他社製オールフラッシュストレージ製品よりもすぐれたストレージ容量効率を保証し、他社よりも容量効率で劣る場合は、その差に相当するストレージを販売時に無償提供される「HPE Store More Guarantee」プログラムを提供する。HPE NimbleStorageサービスでは、専任のエキスパートによる包括的・プロアクティブなサポートが提供され、データストレージ管理にまつわる問題を、運用に影響を及ぼす前に解決することができる定期的なヘルスチェックが提供されるほか、毎週、隔週、または毎月行う報告を通じて、サービスリクエストへの迅速な対応を実現することができる。