クラウド&データセンター完全ガイド:プロダクトレビュー DCを支える黒子たち
Lenovo Storage DX8200D
可用性と費用対効果が特徴のSDSアプライアンス
2017年8月2日 11:30
弊社刊「クラウド&データセンター完全ガイド 2017年夏号」から記事を抜粋してお届けします。「クラウド&データセンター完全ガイド」は、国内唯一のクラウド/データセンター専門誌です。クラウドサービスやデータセンターの選定・利用に携わる読者に向けて、有用な情報をタイムリーに発信しています。
発売:2017年6月30日
定価:本体2000円+税
レノボ・ジャパンの「Lenovo Storage DX8200D」(写真1)は、米データコア・ソフトウェアのSDS(Software Defined Storage)ソフトウェア「SANsymphony」を搭載したSDSアプライアンスである。「Lenovo Storage DX」シリーズの第3弾となる。
データコアはストレージ仮想化技術のパイオニア的ベンダーで、全世界で1万社以上の顧客を擁している。SANsymphonyは、ストレージの処理パフォーマンスを向上させるパラレルI/O技術を採用し、トランザクション性能重視型のデータベースやアプリケーションの稼働に向いている。
DX8200Dは、事前テスト/設定が施されたうえで提供され、SDSを簡単にデータセンターに展開できるようになっている。性能・機能面では、高速キャッシュ、ランダムライトアクセラレータに加えて、x86-64プロセッサ、高速RAMキャッシングと上述のパラレルI/O技術の組み合わせで自動階層化機能を実現し、HDD/SSD間で自動的にデータを移動してパフォーマンスを最適化することができる。
高可用性確保のための機能には、同期ミラーリング、非同期レプリケーション、データの継続的保護(CDP)機能などがあり、ミッションクリティカルな用途にも対応する。機器やサイト障害でも継続的なサービス提供を可能にするために、ストレージシステム間でリアルタイムにデータがミラーリングされるといった自動化がシステム管理者の作業負荷軽減に寄与する。
DX8200Dに備わるストレージ仮想化機能によって、異なる場所に設置されたストレージや他社製ストレージを一元管理することができる。既存ストレージを有効活用でき、ストレージの追加や移行も容易に行える。
DX8200Dは、SANまたはストレージ仮想化環境として利用できる6種類のモデルがラインアップされており、ユーザーは規模や用途に合わせてモデルを選択できる。また、最大96%の変換効率を実現する80PLUS Titanium認証取得の電源、DDR3メモリと比較して消費エネルギーを45%削減するTruDDR4メモリなど、省エネルギー効率の高いパーツを採用し、運用コストの削減を図ることができる。
アプライアンスの提供形態から、ハードウェアとソフトウェアをワンストップで調達することができ、保守窓口をレノボ・ジャパンに一本化できることもメリットの1つだ。サポートは24時間・365日に対応していることも心強い。
なお、レノボ・ジャパンによれば、DX8200Dの導入によって、データセンターはストレージの管理とサポートに必要な時間を最大約80%、ストレージコストを最大約75%、ストレージにまつわるダウンタイムを極力ゼロに近づけることができるとしている。