クラウド&データセンター完全ガイド:データセンターサービスガイド

「インフラ診断サービス」を利用し学内システムのコストと運用負荷を大幅削減――ヤマトシステム開発

クロネコデータセンタークラウド(IaaS)
ヤマトシステム開発
http://www.nekonet.co.jp/

八戸学院大学は、学内システムをリプレースするにあたり、ヤマトシステム開発の「インフラ診断サービス」を利用し、従来は学内の情報処理センターに置いていたサーバーを、同社の「サーバ環境提供サービス(IaaS)」を利用する形に移行。ITコストを低減するとともに、学内スタッフの運用負荷を削減し、セキュリティーの強化も実現した。

学内システムのリプレースでアウトソーシングを検討

(後列左から)八戸学院大学・八戸学院短期大学 学務部 情報メディア課課長 浜章夫氏、同大学 地域連携研究センター副センター長 ビジネス学部ビジネス学科 村本卓教授、同大学 学務部 教務学生課 係長 早川幸久氏 (前列左から)ヤマトシステム開発 セキュアトレースカンパニーセールスグループアシスタントマネージャー 峯﨑康弘氏、地域統括営業本部盛岡営業所 松澤龍弥氏

 青森県八戸市に広大なキャンパスを構える八戸学院大学は1981年の創立。同一敷地内に八戸学院短期大学があり、大学・短大を合わせて1,000名規模の学生が在籍する。

 同大学は開学当初から情報化に取り組んでおり、設立5年後の1986年には情報処理センターを開設。2005年には、大学・短大を含めた入試/学籍/履修/証明書発行などを管理サポートする学内システムを導入した。この時期から業務系のシステムの導入運用も本格化し、系列高校の教務システムなどサーバー数も増加した。

 しかし、2013年でその学内システムが契約終了を迎えることから、新しいシステムの開発・導入の検討が開始され、データセンターへのアウトソーシングが視野に入ったという。

適切な構成を提案する「インフラ診断サービス」

 同大では以前、学内に独自サーバーを立てていたメールシステムをグーグルのGmailに移行した経験はあったが、データセンターの選定は初めてだった。SIベンダー経由で地元のデータセンターなどの情報を集めているときに、ヤマトシステム開発を知ることになった。

 ヤマトシステム開発では「インフラ診断サービス」を提供しており、ユーザーへのヒアリングを基に、専門のフィールドSEが、「診断シート」(ネットワーク構成図とシステム構成図を含む)を作成し、提案書を約10営業日でフィードバックする。

ヤマトシステム開発の「インフラ診断サービス」イメージ
ヤマトシステム開発 セキュアトレースカンパニー アシスタントマネージャー 峯﨑康弘氏

 ヤマトシステム開発の峯﨑康弘氏は、「現在のサーバー構成を明らかにして、弊社のノウハウを基にこうあるべきだという提案を差し上げるのがインフラ診断サービスです。八戸学院大学様のケースでは、先方の要件以外に、機器のリプレース時にマンパワーがかかること、サーバーアウトソースでは大容量データ授受によるレスポンス悪化の可能性があることを指摘し、クラウド(IaaS)の利用とシステム運用管理のアウトソーシングを提案しました」と振り返る。

 当初、サーバーは大学所有のまま仮想化し、データセンターに預けようという意見もあったが、ヤマトシステム開発の提案を検討し、クラウドを利用してIT系の物理的な資産を減らしていく方針が学校法人として採択された。また、5年間のトータルコストを比較したところ、クラウドを利用したほうが安価なこともわかった。

宅急便の基幹システムをノンストップで運用する信頼性

 ヤマトシステム開発を選定した理由としては、提案の内容はもちろん、同社がヤマト運輸のグループ会社であり、その基幹システムを同社のデータセンターで運用していることの信頼性が大きかったという。ヤマト運輸では宅急便とメール便をあわせ、年間36億個(2013年度実績)の荷物と個人情報が存在し、ヤマトシステム開発は、その情報のセキュアな運用管理を継続して担当している。

八戸学院大学・八戸学院短期大学 学務部 情報メディア課課長 浜章夫氏

 「グループ会社の、死活問題になる止められない大規模システムを運用している点に非常に信頼性を感じました。経営幹部に選定理由を説明する際にも理解してもらいやすかったです」と、八戸学院大学学務部情報メディア課課長の浜章夫氏は言う。

 ヤマトシステム開発は東京と大阪に自社データセンターを保有して、低コストでBCPを実現するDRサービスなども提供しているが、新学内システムの開発ベンダーが都内に拠点を持っており、東京データセンターの利用が便利なこともプラスに働いた。

スムーズな導入と確実な成果 データ量の増減にも短時間で対応

 今回の学内システムのクラウド導入は短い期間で非常にスムーズに進んだ。

八戸学院大学・八戸学院短期大学 地域連携研究センター副センター長 ビジネス学部ビジネス学科 村本卓教授

 「仮想サーバー環境と言うのは未知の世界で、インフラを構築するのに何か月もかかると想像していたのですが、1週間でできあがり、こんなに早く終わるとはと驚きました。おかげで残りの期間は学内アプリに集中できました」と、八戸学院大学地域連携研究センター副センター長、ビジネス学部ビジネス学科の村本卓教授は語る。

 新学内システムは2013年の9月に試験運用を開始、2014年4月に本格運用が開始された。これにより、ハードウェアを自身で保有していた従来と比べ、コストを大幅に削減でき、システム専任担当者の運用負担も改善できたという。また、電源を止めて行う法定点検時の運用の問題がなくなり、クラウド内で日々バックアップが取られているためデータ消失のリスクも改善された。

ヤマトシステム開発 地域統括営業本部 盛岡営業所 松澤龍弥氏

 今後は第2フェーズとして、学内に残っている業務サーバーや高校の教務サーバーなどもクラウドに移行していく予定で、リソース量の増加が予測されるが、ヤマトシステム開発の松澤龍弥氏は「柔軟なリソースの増減が可能のため、実際に稼働しているボリュームにあわせた運用に短期間で変更可能です」とクラウドのメリットを説明する。

 八戸学院大学では、今後、学生や教員所有の端末からもセキュアに学内システムを利用できるよう、VDIやWi-Fi環境の構築についてもヤマトシステム開発に期待しているという。

お問い合わせ先

ヤマトシステム開発株式会社

セキュアトレースカンパニー

0120-01-0260

webmaster@nekonet.co.jp