クラウド&データセンター完全ガイド:データセンターサービスガイド

データの保管だけではない 多様なニーズを満たすストレージサービス――アイネット

Dream Cloud®
株式会社アイネット
http://www.inet-datacenter.jp/

アイネットの提供するクラウドサービス基盤と多様なアプリケーションから構成される「Dream Cloud」が好調だ。なかでも同社が注力しているのがストレージサービスである。単に安さを売りにするのではなく、データを適切に管理し活用するための付加価値のあるサービスまで提供しているのが最大の特長となる。

ストレージを中心としたクラウドサービスに注力

 アイネットは2014年2月4日、横浜地区に同社4棟目となるデータセンターを開設した。約1,200ラックを収容可能で、アイネットの提供するクラウドサービス群「Dream Cloud」の提供を前提に設計されており、Dream Cloudの企業ユーザーは700社を超えている。

 Dream Cloudで提供されるサービスは多彩だ。コラボレーションやメッセージング、デジタルサイネージ、セキュリティ、運用管理、DaaS、PaaSなど、ラインアップは実に30を超える。いま同社が特に注力しているのがストレージ関連サービスだ。4つのストレージサービスに機能強化を行い、さらに新たなサービスも提供を開始する。この5つにより、多様なユーザーニーズに応える事業展開を図っている。

複数データセンターで展開するデータ保存の基盤「Dream Cloud Storage Services」

 同社のストレージサービスのポイントは、単なるデータの保管場所ではなく、データを適切に管理して活用するためのアプリケーションまで提供しているところにある。同社がSIerとしてソフトウェアの開発能力も兼ね備えているからこそできることだ。それぞれのサービスについて細かく紹介していこう。

ファイル共有を安価に実現「+D Storage」機能

 1つ目の「Dream Storage」は、企業システムのプライマリストレージとして利用されるサービスであり、大容量かつ高性能、高品質であることが特長だ。高速なフラッシュを活用した「ハイスピード」と「ウルトラハイスピード」、安価に標準的なパフォーマンスが期待できる「ノーマル」、コールドデータに適した「エコノミー」と、4段階のラインアップが用意されており、用途に応じて選択して利用することができる。

 今回、オプションとして新たに追加されたのが「+D Storage」だ。安価なストレージをエンドユーザーのファイル保管場所に設定し、WebDAV技術によってスマートフォンやタブレットデバイスから情報共有を行うことができる。Dream Storageは容量課金であるため、ユーザーが何万人いようと、安価に情報共有を実現できる。

取引先とデータを安全にやりとり「ファイルWebアップロード機能」

 2つ目が、社員同士やチーム内での情報共有を円滑にするための、企業向けに特化したオンラインストレージサービス「Cloudstor」だ。低コストで堅牢性・拡張性に優れた分散ファイルシステム「Hadoop」を活用しており、スマートデバイスから容易にアクセスでき、端末にデータを残さないなど、利便性と安全性を両立している。

 Cloudstorでは、Cloudstor上の大容量ファイルをWebを介して公開する「ファイルWebダウンロード機能」が提供されているが、2014年9月には新たに「ファイルWebアップロード機能」が追加された。Cloudstorを利用していない相手からファイルを受け取る際に利用することができ、アップロード先のURLとパスワードを発行すれば、複数の取引先から巨大なデータを収集することも容易にできるようになった。

オブジェクトストレージ型へのマイグレーションも一括提供

 3つ目は、アイネットが米バショー・テクノロジーズと提携し、2014年9月に開始した「Object Storage Service」だ。技術的には他社のオブジェクトストレージサービスと同等だが、その特長はアイネットが強力なSI/開発部門を保有しているところにある。

専務取締役 事業統括 田口勉氏

 専務取締役 事業統括の田口勉氏は、「例えば既存のデータベースをオブジェクトストレージ型にマイグレーションするなど、総合的なインテグレーションサービスとして提供していきます。この移行によって、データベースの管理コストを抑え、スケールアウト可能なシステムへ作り変えることが可能です。アナリティクスシステムへと進化させることも考えられるでしょう」と述べる。

 さらに、アイネットのデータセンターや、リソースプール型PaaS「EASY Cloud」などを利用しているユーザーは構内ネットワークの料金が無料になるというメリットもある。一般的なオブジェクトストレージサービスは、通信料に応じた従量課金であることが多く、データのやり取りが頻発するアプリケーションなどは運用コストが肥大化する恐れがある。アイネットユーザーであれば、その点で悩む必要はないというわけだ。

モバイルやPCにおけるファイル管理が容易に

 コラボレーションツールの「Dream Office」には、個人やグループでドキュメントデータを共有できる「Dream Office Document機能」が搭載されている。これが4つ目だ。チームでビジネスを推進する場合、複数のメンバーで1つのドキュメントを共有することがあるためファイル管理が重要になるが、同サービスは、特に世代管理・バージョン管理にすぐれているのが特長だ。

 今回アイネットは、モバイルデバイスからファイルにアクセスできる「+D Office」機能や、PC上のファイル/フォルダにチェックマークを付けるだけで自動的にDream Officeにアップロードして管理下に置くことができる「Via Dream」という機能を追加し、より使い勝手を高めた。

あらゆるメールをアーカイブする「Mailsave」

 最後に、2014年10月にローンチ予定の、メールアーカイブ「Mailsave」だ。GmailやMicrosoft Exchange、Office 365、携帯電話キャリアのメールなど、メールシステムに依らず、添付ファイルを含めた大量のメールデータを一か所に保管できるサービスである。

営業企画部 課長代理 神野由紀子氏

 最大のポイントは検索性だ。例えば5万件のメールが格納されていたとしても0.2秒で全文検索することが可能だ。メールをフォルダ分けする必要はなく、ひとまとめに保存しておき、必要な時に検索するだけで、容易にメッセージを発見できるというわけだ。

 アイネットのストレージサービスは、単に安さを売りにはしていない。データセンター事業者とSIerという両面を持つからこそ提供できる付加価値のあるサービスが最大の特長なのだ。

 営業企画部 課長代理の神野由紀子氏は、「2014年7月に開催したセミナーで当社のストレージサービスを紹介したところ、大きな反響を呼びました。それぞれのサービスに固有の価値が付加されているところを高く評価していただけました」と述べている。

 今後も同社は、画期的なストレージサービスを次々に提供する計画だ。

セミナー「Dream Cloud Innovation Day 2014」開催予定

日時:2014年11月18日(火)13:30~17:00

場所:東京ミッドタウン

参加費:無料(アイネットデータセンターHPからお申し込みください)

お問い合わせ先

株式会社アイネット

045-682-0845(9:00~17:30 土日祝日・年末年始を除く)

dream.cloud@inet.co.jp