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三菱アルミニウム、販売・生産管理システムの分散データベースをOracle Database Applianceへ統合

TISデータセンターにDRサイトを構築

 TIS株式会社と日本オラクル株式会社は9日、三菱アルミニウム株式会社が、データベースアプライアンス製品の「Oracle Database Appliance」を導入したと発表した。同社内に分散していた販売・生産管理システムの複数のデータベースを、Oracle Database 12cのマルチテナント機能を活用し、Oracle Database Applianceに統合したという。

 このプロジェクトは、三菱アルミニウムが2009年に構築した販売・生産管理システムのハードウェアのリース切れを機に、システム運用効率の向上と、災害対策強化、システムレスポンス改善などを目的に計画されたもの。データベースは従来、Oracle Database Standard Editionを利用していたが、運用管理効率化やデータベースの冗長化、高度なデータセキュリティなどを実現するさまざまな機能を活用するために、Oracle Database Enterprise Editionに移行した。また、Enterprise Editionの機能を最大限活用するために、Oracle Database Applianceを採用した。

 新環境ではOracle Database 12cのマルチテナント機能を活用して複数データベースを統合しており、これまで個別のデータベースごとに行っていたバックアップ、パッチ適用などの運用を一括実行できるようになる。これによって、従来の運用・保守費用(OPEX)を大幅に削減できることが想定されているという。

 またデータベース統合とあわせ、TISのデータセンターにディザスタリカバリ(DR:災害復旧)サイトを構築し、「Oracle Data Guard」でスタンバイデータベースとの同期を取得。さらに、日本オラクルのテープストレージ「StorageTek SL150」を用いたバックアップ環境を整備した。このバックアップデータは、データベースセキュリティ機能である「Oracle Advanced Security」で暗号化される。

 新環境は10月より稼働し、12月までに、販売管理や生産管理など5つのデータベースがマルチテナント機能を活用して統合される予定。その後、2017年4月までに合計7つの全データベースがOracle Database Applianceへ統合される計画だ。

 なお三菱アルミニウムは今後、販売・生産管理システムだけでなく、ホスト系システムも含めてIT基盤の統合を図るとしている。

石井 一志