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キヤノンITS、「GUARDIANWALL」「WEBGUARDIAN」新バージョン、マイナンバーの情報漏えい対策強化など

 キヤノンITソリューションズ株式会社(以下、キヤノンITS)は15日、企業向け情報漏えい対策ソリューション「GUARDIANWALL」「WEBGUARDIAN」のそれぞれ新バージョンを発表した。新バージョンでは、マイナンバーが含まれる外部送信を検出してブロックするなど、情報漏えい対策を強化している。販売開始は12月24日。

キヤノンITSのGUARDIANシリーズ
新バージョンは12月24日販売開始

 「GUARDIANWALL」は、メールフィルタリングや誤送信対策、メール監査などの機能により、メールからの情報漏えいを防ぐ製品。

 新バージョンのVer8.1では、メール中の氏名や住所、電話番号などを検出する「個人情報検査機能」の拡張として、マイナンバー検出機能を追加。任意の12桁または13桁の数字ではなく、チェックデジットによる検証を行い、有効なマイナンバー情報のみを検出する。

 また、新たにLDAPやActiveDirectoryなどの人事情報サーバーとの連携機能を追加。人事異動を反映したフィルタリングルールを自動作成できるようになり、組織ごとに個別に定義してあるフィルタリングルールのメンテナンス作業などを簡略化できる。

 このほか、Exchange ServerやOffice 365との連携により、ジャーナル形式のメールをGUARDIANWALLでアーカイブする機能や、テスト用のメールをeml形式でアップロードすることで、メールがフィルタリングルールによってどのように判定されるのかをテストできる機能などを追加した。

情報の入り口/出口対策を強化
マイナンバーの漏えい検査機能を追加
人事情報と連携したフィルタリングが可能に
ジャーナルアーカイブ機能

 「WEBGUARDIAN」は、業務外のウェブ利用の抑制や、SNSやウェブメールなどで外部送信される情報を検査する機能により、ウェブからの情報漏えいを防ぐ製品。

 新バージョンのVer4.1では、GURDIANWALLと同様のマイナンバー検出機能を追加。また、暗号化されたウェブ通信(HTTPS)でも、通信内容を復号してフィルタリングを行うHTTPS検査機能を追加した。暗号化されたサイトに対する情報漏えいなどをチェックする目的のもので、利用者に対して通信内容を検査していることの告知や、通信先のウェブサーバーの実在証明を行う機能も搭載する。

 一方、外部送信データは管理者によって内容の閲覧ができるが、クラウドサービスのIDやパスワード、オンラインバンキングなど、管理者であっても取り扱いに注意が必要な情報が含まれるため、送信データの閲覧時に情報の一部をマスクするプライバシー情報保護機能を搭載した。

 このほか、ユーザーを認証する手段として、従来のNTLM認証に加えて、ActiveDirectoryが推奨しているKerberos認証にも対応した。

HTTPS検査機能
プライバシー情報保護機能

 新バージョンも、価格は従来製品と同様。製品ラインナップとしては、WEBGUARDIANに仮想アプライアンス版を追加した。

 GUARDIANWALL Linux版の契約期間1年間の新規価格(税別)は、ユーザー数50の場合で、フィルタリングモデルが26万1000円、添付ファイルZIP暗号化モデルが4万8000円、アーカイブモデルが30万9000円、セット購入が50万1000円。WEBGUARDIAN Linux版の契約期間1年間の新規価格(税別)は、ユーザー数25の場合で15万円。

 キヤノンITS執行役員セキュリティソリューション事業部長の近藤伸也氏は、「最近では『メールはもう終わった』といった声も聞かれるが、現在でも日本で1日に20億通のメールが送られていると言われ、セキュリティにおける入り口/出口対策としてメールはまだまだ重要。一方で、メールセキュリティ製品の導入率はそれほど高くない」と説明。企業における個人情報保護対策の実施状況も、教育やルール作りといった取り組みは多いが、システムによる対策はまだ進んでいないという調査結果を示し、今後もGUARDIANシリーズは企業の情報漏えい対策を支えていくとした。

価格例
キヤノンITSの近藤伸也氏

三柳 英樹