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物理サーバーをクラウドのように利用できるサービス、「NEC Cloud IaaS」で提供

 日本電気株式会社(以下、NEC)は27日、クラウド基盤サービス「NEC Cloud IaaS」において、ユーザーが物理的に専有可能なサーバーを貸し出す「物理サーバサービス」を提供すると発表した。

 「NEC Cloud IaaS」は、サーバーやストレージなどのICT資源をサービスとして提供するIaaS型のクラウドサービス。今回の「物理サーバサービス」は、クラウド環境でも性能を確保したい、物理的に隔離したクラウド環境で機密データの処理を行いたい、といったニーズに応えるもので、高負荷処理に適したサーバーと、低負荷処理・並列分散処理に適したサーバーの2種を提供する。

 具体的には、Xeon搭載サーバーを提供する、CPU負荷の高い業務や基幹業務などの用途に適した「物理サーバサービス(Xeon)」と、Atom搭載の省電力・高集積サーバーを提供する「物理サーバサービス(Atom)」を用意した。前者では、Xeon搭載サーバーを「NEC Cloud IaaS」と同一のネットワーク上に配置しており、ファイアウォールやロードバランサーなどのネットワークサービス、ファイルストレージサービスなどを利用可能という。価格は、最小構成で月額9万2300円(税・初期費用別)から。

 一方の「物理サーバサービス(Atom)」は、Atom搭載サーバーとその管理システムをハウジング環境に設置し、保守サポートも含めて提供するもの。CPU負荷の比較的低い業務や、Webサーバーなどの並列処理を、専有環境かつ低コストで実施する用途に適しているという。価格は、最小構成(10台)で月額55万5100円(税・初期費用別)から。

 また同時に、画像・動画ファイルやバックアップファイル、ログファイルのアーカイブなど大容量データを容量の制限なく保存できる「オブジェクトストレージサービス」も新たにラインアップした。「NEC Cloud IaaS」のデータディスクサービスやファイルストレージサービスと組み合わせて利用することにより、データ保存コストの最適化を実現するとのこと。GB単位で提供され、価格は月額8.6円(税別)から。

 このほか、オンプレミスで構築されている仮想マシンイメージを「NEC Cloud IaaS」へ移行する「VMインポートサービス」や、NEC内で事前検証したシステム構成をテンプレート化し、それに基づいてサーバーやストレージなどの調達を一元的・自動的に実行する「テンプレート型プロビジョニング」、海外向けの英語版セルフサービスポータルといった機能も提供されるとのこと。

石井 一志