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三甲リース、「Oracle DB Appliance」で集計処理の時間を1/5に短縮

 日本オラクル株式会社と株式会社アシストは23日、三甲リース株式会社が、日本オラクルのデータベースアプライアンス「Oracle Database Appliance」を新データベース基盤として導入したと発表した。1月に構築を完了し、すでに稼働開始している。

 三甲リースは、プラスチック物流機器専門メーカーである三甲のグループ会社で、三甲が製造するパレットやコンテナのレンタル会社である。今回、レンタル業務の中核となるプラスチックパレット/コンテナ管理システムのデータベース基盤に、Oracle Database Applianceを採用した。

 同社では、レンタル資産であるパレットおよびコンテナの紛失を防止するためにRFIDまたはQRコードを使用して個体管理を行っており、個体管理分析の前処理として集計バッチを実施していたが、トランザクション1日50万件以上、累積2億件もの突き合わせ処理を行う必要があるため遅延が発生していた。このため、Oracle Database Standard Editionベースの既存システムでは、メインのバッチ処理に影響が出始めてしまっていたという。また、将来的に全商品の個体管理を予定しており、年間トランザクションが3億件になる見込みであったことから、早急なレスポンス対策が必須になっていた。

 三甲リースの情報システム部では、こうした課題を解決するにあたって、アプリケーション改修では期間とコストが必要で現実解ではないこと、使用していたハードウェアの抜本的な更新が必要と判断したことなどから、新たなデータベース基盤としてアシストが提案していた「Oracle Database Appliance」の採用を決めた。

 採用にあたっては、ハードウェアの選定からシステム・カットオーバーまでにかかる期間や工数を大幅に削減でき、ボトルネックとなっていたディスクI/O性能が非常に高いこと、Oracle Database Enterprise Editionのパーティション/パラレル機能の活用により高いレスポンスを維持なことなどが評価されたという。

 また、必要なプロセッサの能力に応じて費用を支払う、スモールスタートに対応したライセンス方式の「Capacity On Demand」や、x86サーバーと比較して初期費用が50%、保守費用が40%低減できることなど、コスト面についても評価された。

 なお新システムでは、当時最大5時間かかっていた処理を1時間へ短縮することに成功。また、Advanced Compression(圧縮)機能を利用し、バックアップ容量・時間も80%圧縮できたとのこと。

石井 一志