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国内パブリッククラウドサービスの市場規模は今後5年で3倍に~IDC Japan

 IDC Japan株式会社は、国内パブリッククラウドサービス市場予測を発表。2013年の国内パブリッククラウドサービス市場規模は前年比37.4%増の1302億となった。国内パブリッククラウドサービス市場は今後も拡大を続け、2018年には2013年の約3倍、3850億円に上ると予測している。

 IDC Japanでは、パブリッククラウドサービスの発展は、一般消費者向けWebアプリケーションなどの新しいアプリケーションやシステム領域への対応だけではなく、既存システムのクラウド化を促すソリューションも著しく発展していると説明。2013年は、企業がIT導入時にクラウド(パブリッククラウド/プライベートクラウド)を第一の選択肢として検討する「クラウドファースト」元年と位置づけている。

 2012年までは、パブリッククラウドサービス、特にIaaS/PaaSの利用用途は新規システム領域が中心だったが、2013年には、用途が既存のシステム領域まで拡大。これまで、「何となく」棲み分けされてきたパブリッククラウドサービスと、仮想化を含めた従来型のIT製品/サービスの直接的な競合状況が始まったと分析している。

 IDC Japanはまた、こうしたハイブリッドクラウド時代では、多様な顧客の要望に応答えるために、市場の多様化/細分化が起こるとして、り、すでにSoftware as a Service(SaaS)市場では汎用型アプリケーションから、産業特化型アプリケーションへと、成長領域が変化していると指摘。

 プライベートクラウドにおいても、オンプレミス型からホスティング型さらにはコミュニティクラウドサービスへと、配備モデルの多様化が進んでいるとした。

 IDC Japan ITサービス リサーチマネージャーの松本 聡氏は、市場の多様化/細分化はユーザーの需要を喚起し、市場の拡大を促進する一方で、ベンダーにとっては多品種・少量販売となり、売上原価と販売管理費の効率化が難しくなるとして、「継続的な成長のためには、収益モデルの見直しが必要である」とコメントしている。

 市場予測の詳細は、IDCが発行したレポート「国内パブリッククラウドサービス市場 2013年の実績と2014年~2018年の予測」(J14310102)で報告されている。

国内パブリッククラウドサービス市場 セグメント別売上額予測(2013~2018)、IDC Japan

工藤 ひろえ