国内セキュリティ市場予測、クラウドによる運用管理が拡大～IDC Japan

　IDC Japan 株式会社は5月27日、2013年の国内セキュリティ市場規模実績と2018年までの予測を発表した。

　2013年の国内情報セキュリティ市場において、SaaS（Software as a Service）型セキュリティソフトウェアを含むソフトウェア製品とアプライアンス製品を合わせたセキュリティ製品市場規模は2476億円で前年比成長率が11.2％2013年～2018年の年間平均成長率は4.0％で、2018年には3011億円と予測した。

　コンサルティングやシステム構築、運用管理、教育／トレーニングサービスを含むセキュリティサービスの市場規模は6043億円、前年比成長率は6.0％。2013年～2018年の年間平均成長率は4.1％で、2018年には7403億円と予測。

　2013年のセキュリティソフトウェア市場は、前年比成長率は8.3％、市場規模は2,065億円。2013年～2018年の年間平均成長率は3.8％、2018年には2494億円と予測。2013年はアイデンティティ／アクセス管理とエンドポイントセキュリティが市場をけん引、2014年以降は、それらに加えて脆弱性管理への需要が拡大すると分析している。

　SaaS型セキュリティソフトウェア市場は、運用管理負担の軽減や災害時の事業継続を目的としたニーズが継続的に高いことから、2013年の市場規模は前年比22.4％増の108億円と、高い成長率となった。IDCでは、2014年以降も運用管理負荷の軽減や事業継続性へのニーズが高く、またサンドボックス技術などによる先進的なマルウェア対策への需要も高まるとして、2013年～2018年の年間平均成長率は11.3％で、2018年には184億円規模と今後も高い成長率を維持すると見ている。

　2013年のセキュリティアプライアンス市場は、アベノミクスによる円安効果と、標的型サイバー攻撃対策としてニーズが高いIDS/IPS（Intrusion Detection System/Intrusion Prevention System）やアプリケーション層まで制御する次世代型ファイアウォールを含むUTM（Unified Threat Management）への需要が高まり、市場規模は前年比29.0％増の412億円と大きく伸びた。2013年～2018年の年間平均成長率は4.7％で、2018年には517億円に拡大すると予測している。

　2013年のセキュリティサービス市場は、前年比6.0％増の6043億円。2013年～2018年における年間平均成長率は4.1％で、2018年には7403億円に拡大すると予測する。IDCでは、既存のソフトウェアアーキテクチャを変更せずにクラウド化する「Cloud Enabled」サービスの進展により、セキュリティ基盤を組み込んだクラウドソリューションの本格的な活用が拡がり、クラウドによる運用管理サービスが拡大するとみている。

　今回の発表はIDCが発行した「国内情報セキュリティ市場 2013年の分析と2014年～2018年の予測：ソフトウェア／SaaS、アプライアンス、サービス」（J14210104）で詳細が報告されている。