ウイングアーク、グローバル対応などを強化した帳票基盤ソリューション「SVF 9.2」

　ウイングアーク株式会社は30日、帳票基盤ソリューション「SVF」の新バージョン「SVF Ver.9.2」を、1月31日より出荷開始すると発表した。多国語対応、Unicode規格であるIVS（Ideographic Variation Selector：異体字セレクター）サポートなどにより、グローバル対応を進めているのが特徴という。

　「SVF」は、企業の帳票やドキュメントを設計開発からアウトプットまで全社的に一元管理する帳票基盤ソリューション。

　新版では、全製品で日本語・英語・中国語簡体字といった3カ国語のユーザーインターフェイスを標準提供したことに加え、8カ国語（日本語、中国語繁字体、中国語簡字体、韓国語、フランス語、英語、タイ語、チェコ語）のプリンタ出力とExcel出力をサポートした。また、Unicodeでは表現できなかった文字出力を可能にするIVS（異体字セレクター）に対応したことで、外字の登録の手間を省き、詳細な字体の違いが出力可能になったという。

　さらに、クラウド環境での帳票システム運用を視野に入れ、HTTPS接続によるモジュール間のセキュア通信を行えるようにし、ファイアウォールにおいて新たなポートを開けなくても、SSL通信による容易な運用が可能になったとのこと。このほか、全製品でIPv6をサポートし、IPv4/IPv6混在環境での運用が可能になるなど、ネットワーク機能が強化された。

　加えて、複数文書の印刷や自動印刷時の順序指定の追加など、「RDE」による印刷実行順序の制御を強化したほか、ページ範囲指定機能を利用して3つのプリンタで並列印刷を行うことで、従来の1/3時間での印刷処理が可能な文書コピー機能を強化している。

　新製品としては、中小規模システムに特化したPDF帳票出力パッケージ「SVF for PDF Client Edition」、および帳票統合スプールサーバー「RDE Limited」をラインアップに追加。インストールの簡便さや使い勝手の良さ、導入しやすい価格帯の設定により、出力枚数が限定される中小規模システムの帳票運用を支援するとしている。

　ウイングアークによれば、すでに公益財団法人や製造・輸入業をはじめとした企業への導入が決定しているとのこと。今後は、環境移行のためのマイグレーションツールやサービスを提供するなど、「SVF」の既存ユーザーへ向け、積極的に新版への移行提案を実施する考えだ。