ニュース

菊正宗酒造、基幹システムとネットショップの帳票基盤に「SVF/RDE」を採用

商品拡大によりシステムを全面オープン化

 ウイングアーク株式会社は24日、菊正宗酒造株式会社が基幹業務システムとネットショップの帳票基盤に、帳票基盤ソリューション「SVF/RDE」を採用したと発表した。

 1659年の創業以来、菊正宗酒造は「品質本意」を掲げ「本流辛口」を守り続けており、創業350年目の2009年には「和食に合うおいしい日本酒を提供し、人々の心と体の健康に貢献します」という使命に基づき、伝統的な酒造りである「生もと造り(きもとづくり)」をレギュラー酒である上撰酒まで拡大。清酒「菊正宗」の品質に磨きをかけている。

 従来、基幹業務システムの1つである受注出荷システムをメインフレーム環境で構築していたが、事業拡大に伴い取扱商品が酒類だけでなく、乳酸菌等を使った食品や化粧品などにも拡大。販売も卸売だけでなく、量販店、ネットショップなど多岐にわたるようになったことから、メインフレームでは顧客や市場の変化に対応できないと判断。2010年4月より2年間で基幹業務システムの全面的なオープン化を行い、データを連携するネットショップも合わせて、その帳票出力基盤に「SVF/RDE」を採用した。

 基幹業務システムの帳票開発は1カ月程度、ネットショップの帳票も1~2カ月という短期間で開発を実現。帳票出力基盤については「SVF/RDE」を導入したことで、帳票や一覧表などが高速かつ簡単、確実に印刷できるようになったという。また、印刷時にトラブルが発生しても、プリンタの状況確認や再印刷の作業に素早く対応できる点などを評価。各部門の担当者が必要な時にRDEから帳票を出力できるので、システム管理者の負担を軽減できるほか、PDFは必要なページだけを印刷できるので紙の無駄も減少しているという。

 一方、ネットショップは運営している菊正宗酒造の直営サイト、楽天市場店、社員向け販売サイトからデータベースにデータを取り込み、基幹業務システムと同じSVFの帳票基盤を利用して、お買い上げ明細書やピッキングリストなどを出力。基幹業務システムと共通の帳票出力基盤にすることで効率化を図っている。

 菊正宗酒造では今後、「SVF/RDE」の利用範囲を他システムに拡大することを検討。ネットショップのお買い上げ明細書においては、個人情報保護の観点からさらなるセキュリティの強化を図っていく予定。さらにこれら帳票出力だけでなく、「Dr.SUM EA」を利用した売上・実販売データの分析・活用も検討している。

川島 弘之