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富士通、タイでクラウドサービスを提供~IaaSと10種類のSaaSを用意

 富士通株式会社とタイFUJITSU SYSTEMS BUSINESS (THAILAND)は2日、タイで運営しているデータセンターを利用し、プライベートクラウドサービスを提供開始すると発表した。

 富士通グループでは、2008年にタイのデータセンターを開設して以来、日系企業を中心にデータセンターサービスを提供していた。しかしクラウドサービスについては、日本もしくはシンガポールからサービスを提供していたという。

 今回のサービスは、タイ国内で運営するデータセンターにプライベートクラウド基盤を設置し、高信頼なICTサービスを提供するもので、富士通が5月14日に発表したクラウド製品・サービス群の新体系「FUJITSU Cloud Initiative」における、「FUJITSU Cloud IaaS Private Hosted」サービスにあたる。

 特徴は、高信頼の対障害性やセキュリティと、高可用の設計・運用サービスを提供しつつ、タイ国内での市場を十分に意識した価格設定を実現している点。メニューとしては、ユーザー企業の業務特性を考慮した、柔軟な仕様設計が可能なIaaSと、そのIaaS環境に汎用性の高い業務アプリケーションを搭載したメールサービス、ERPサービスを含む、約10種類のSaaSを用意している。

 システム追加時や変更時には、最短5営業日で対応。仮想化基盤と運用手法は、富士通が日本とシンガポールでこれまで培った設計思想とプロセスを適用しており、データセンター、プロダクト、仮想化、マイグレーションといった、クラウドに必要な最新テクノロジーを高い水準で垂直統合し、提供するとのこと。

 ユーザー企業はこれを利用することで、企業はタイに新規進出した際の安定したICT基盤を迅速に構築できるほか、万が一の災害リスク対策や、需要変動型の業務システム対応も同時に実現するとした。

 富士通では、今後3年間に100社への導入を見込んでいる。

石井 一志