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日本オラクル、電力・ガス・水道など公益業界向けアプリケーション製品の最新版を発表

日本オラクル 公益グローバル・ビジネス・ユニット セールスディレクターの芝好勇治氏

 日本オラクル株式会社は23日、電力・ガス・水道などの公益業界向けアプリケーション製品「Oracle Utilities」の最新版を本日より提供開始すると発表した。

 「Oracle Utilities」は、電力・ガス・水道など公益業界向けに特化し料金・顧客管理、自動配電管理、メーターデータ管理、作業管理など、配電から小売り業務までを支援するアプリケーション製品である。

 最新版をリリースする背景について、日本オラクル 公益グローバル・ビジネス・ユニット セールスディレクターの芝好勇治氏は、「当社では4月25日に、電力システム改革を支援する体制として、電力システム改革推進室を発足した。この組織では、政府が電力システム改革を進める中で、当社が蓄積してきたグローバルでのノウハウおよびITソリューションを、それぞれの企業に最適化して提供することで、公益業界における電力・ガス・水道事業の販売効率化を支援している。今回、この公益業界に特化したITソリューションのラインアップ強化として、『Oracle Utilities』の最新版を提供する」と述べている。

 最新版で機能を強化したアプリケーションは、料金・顧客管理アプリケーション「Oracle Utilities Customer Care and Billing 2.4」、メーターデータ管理アプリケーション「Oracle Meter Data Management 2.1」、スマートグリッドネットワークと統合するためのアプリケーション「Oracle Smart Grid Gateway」の3製品。

「Oracle Utilities Customer Care and Billing」の概要

 「Oracle Utilities Customer Care and Billing 2.4」は、公益事業の販売業務に必要な料金設定、マーケティング、販売、顧客サービス、契約管理、検針、請求管理、メーターおよび機器管理、保守・点検作業など各種機能を提供する顧客管理と料金アプリケーション。「同製品の大きな特徴は、柔軟性のある料金計算ロジック、マスタ管理項目を自由に追加、ユーザー側画面の簡易な開発、帳票の簡易な開発の4点。これらの機能は、日本の公益企業にとって、今後の新しいITインフラを支えていくために必要不可欠になるものと考えている」(芝好氏)としている。

 最新版での機能強化点としては、最新の開発フレームワーク「Oracle Utilities Application Framework」に対応することで、公益企業が必要とする機能拡張のカスタマイズが可能となった。また、スマートグリッド向けの新しい料金計算エンジンを追加。スマートメーターの導入にともない多様化する料金単価、料金計算の変更に柔軟に対応できるような料金構造の見直しと新たな計算ルールを適用している。さらに、アーキテクチャを改善し、業界標準であるJavaを多く採用することで、技術者の確保や他システムとの親和性を高め、システム構築の開発効率を向上した。

 「Oracle Meter Data Management 2.1」は、スマートメーターが送信するさまざまなデータを検証・格納し、データをほかのシステムと連携するアプリケーション。「スマートメーターは、日本においては先進的な取り組みであり、海外でのノウハウや事例を参考にしながら、日本企業に最適なソリューションを提案している」(芝好氏)という。今回の最新版では、電力、ガス、水道の使用量、利用状況の記録および監査を実施する機能を追加。また、料金計算に必要となるメーターデータの集計処理を新たに追加している。

 「Oracle Smart Grid Gateway」は、データ収集および通信制御を行う装置であるヘッドエンド特有のデータ形式を、メーター機器向けデータ形式(MDMフォーマット)に変換するアダプターを提供する製品。また、イベント検知や例外処理への制御、コマンドオーケストレーションを行う機能も備えている。最新版では、アダプター機能により、スマートメーターの事業者やメーター機器を接続する複数のスマートグリッドの基盤(Advanced Meter Infrastructure:AMI)に対応した。さらに、さまざまなスマートメーターおよび機器への遠隔操作が可能となった。複数の遠隔操作を集約し、一元的な操作を可能にすることで、業務効率の向上を実現する。

「Oracle Meter Data Management」の概要
「Oracle Smart Grid Gateway」の概要

唐沢 正和