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富士ソフトとテラスカイ、NotesからSalesforceへの移行ツール

Notes画面の90%以上を自動移行

 富士ソフト株式会社と株式会社テラスカイは10日、Lotus NotesからSalesforceへの移行を自動化するパッケージ「オートマイグレーション for Notes」を発表した。6月より提供する。

富士ソフト プロダクト・サービス事業本部 常務執行役員の野澤仁太郎氏
テラスカイ 代表取締役社長の佐藤秀哉氏

 オートマイグレーション for Notesは、富士ソフトが開発した、Notes設計情報を抽出する「オートマイグレーション Engine」と、その設計情報を取り込み、Salesforce上へ反映する「オートマイグレーション Editor」で構成される。EditorについてはテラスカイのSalesforce画面設計ツール「SkyVisualEditor」を採用し、両者で共同開発を進めた。これらにより、Notes/DominoからSalesforceへの自動マイグレーションを実現し、より短期間、より低コストでの対応を可能にするという。

 富士ソフト プロダクト・サービス事業本部 常務執行役員の野澤仁太郎氏によれば、「顧客はNotesマイグレーションにおける課題として、データベースや画面が乱立していて移行コストが高くなる、慣れ親しんだNotes画面の変更への抵抗が強い、Notesと移行先の両方の技術に強いベンダーが少なく、移行の最適解が分からないといった悩みを抱えている」という。

 そこで、Notesの豊富な開発実績およびNotesからのマイグレーション実績を持ち、かつForce.com開発技術者も多く抱え、常時50名を超える専門体制を整える富士ソフトが、自社のノウハウに、Salesforceの画面設計ツールとしてはデファクトスタンダードであるというSkyVisualEditorを組み合わせて、ドラッグ&ドロップでNotesからSalesforceへ簡単に移行できるツールを開発した。

オートマイグレーション for Notesの概要
自動化イメージ

 メリットとして、Notes画面を90%以上自動移行できる。また、富士ソフトのノウハウを生かし、Notes分析、Salesforce機能の有効活用、データ移行なども支援することで、力技で一から移行するよりも移行コストを削減するという。

 また、移行後も「オートマイグレーション Editor」を使うことで、開発生産性を高め、ユーザーが自由に画面作成・修正できるため、保守性も維持される。加えて、Salesforceに移行することで、ChatterなどNotesにはなかったさまざまな機能が利用できるため、利便性も向上するとしている。

左がNotes画面、右がSkyVisualEditorでSalesforce画面を自動生成したもの
Salesforceに移行した画面

 価格は、移行元のNotes DBの数などに応じる。当面は富士ソフトの直販で販売。2016年度までに75社、10億円の売り上げを目指す。

株式会社セールスフォース・ドットコム 専務執行役員の保科実氏

 なお、発表会には株式会社セールスフォース・ドットコム 専務執行役員の保科実氏が登壇し、「日本ではForce.comのPaaSビジネスが50%を占める。その中でもNotesからの移行案件は多い。当社自身はNotesのことはあまりよく分からないので、移行について深いアドバイスができなかった。富士ソフトに期待するのはそこ。また、今回のように日本同士のアライアンスは機能向上の面で意義深い。日本企業がわれわれの基盤を使って海外展開するのはうれしいこと。富士ソフト様もこれを機に、海外展開していただけたらと期待している」とコメントした。

(川島 弘之)