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大鵬薬品、700名が利用するタブレット向けデスクトップクラウド環境を構築

 株式会社CSIソリューションズ(以下、CSIS)と日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)は21日、大鵬薬品工業株式会社(以下、大鵬薬品)の医薬情報担当者(MR)700名が活用するタブレット端末向けデスクトップクラウド基盤の構築を支援し、2013年1月より稼働開始したと発表した。

 大鵬薬品では、MRが訪問先の医療機関において、最新の治療法の紹介や提案を行う際にタブレット端末を活用していたが、さらなるセキュリティの強化と業務の効率化を図るため、新たなシステム基盤の構築を検討していた。

 今回、CSISが構築したデスクトップクラウド基盤は「IBM PureSystems」製品群に属する「Flex System」が支えており、Flex System上のデスクトップ仮想化ソフト「VMware View」と「IBM Flex System x240コンピュート・ノード」7台、I/O性能が高いストレージ「IBM Storwize V7000」で構成されている。

 仮想環境を前提に設計されたFlex Systemは、高速に、遅延なく通信できる広帯域なネットワークを備えており、V7000ストレージは「IBM System Storage Easy Tier」という機能により、アクセス頻度の高いデータ領域を高速な記録媒体へ自動的に移動する。これにより、アクセスが集中する時間帯にも支障なく、MRは必要な機能や情報をタブレットに呼び出せる。また、Flex Systemは大容量メモリを搭載し、多くの業務を高速に処理できるため、今後デスクトップクラウド環境を利用するMRが増えても、新たなハードウェアの追加を最小限に抑えられるという。

 なお、CSISが基盤構築を、日本IBMが技術提供を担当。約3カ月で構築した。

 同基盤の構築により、大鵬薬品のMRは個々のタブレット端末ではなく、安全なデスクトップクラウド環境で医療情報などを医師へ提供し、外出先での空き時間には、専門知識向上のためのeラーニング受講や、日報入力を行えるようになったとしている。

(川島 弘之)