IIJ GIOにより柔軟な新サービス、ユーザーが仮想サーバーを自由に設計可能

プライベートクラウドのニーズに対応


IIJ 専務執行役員 クラウド事業統括の時田一広氏
IIJ GIOサービスラインアップ

 株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)は23日、クラウドサービス「IIJ GIOサービス」の新ラインアップとして、「IIJ GIOコンポーネントサービス 仮想化プラットフォーム VWシリーズ」を追加し、8月より提供すると発表した。

 IIJ GIOではサービス開始当初より、仮想サーバー、専有サーバーの2種類を提供しているが、今回、同じサービス基盤上にVMware vSphereやEMCのユニファイドストレージを採用した、新しい仮想化プラットフォームを提供する。従来のサービスと比べて、仮想サーバー自体やOSなどをユーザーが自由に設計・構築できるため、より柔軟性に優れるのが特長となる。

 IIJ 専務執行役員 クラウド事業統括の時田一広氏は、「IIJ GIOユーザーの半数以上は、インターネットではなく閉域網のWANサービスを経由してIIJ GIOを利用しており、社内システムを構築するためのプライベートクラウド基盤として利用するケースが増えている。従来よりIIJ GIOの仮想サーバーサービスではスペックに応じて多様なラインアップをそろえているが、プライベートネットワークに接続するような事例では、必ずしもすべてのスペックニーズに応えることができなかった」とし、新サービスの柔軟性で「SI・オンプレミスのシステムをプライベートクラウドに取り込んでいきたい」とその狙いを語る。

 具体的に新サービスでは、ベースサーバー、データストア、ネットワークを選択できる。ベースサーバーは、CPU(12コア)/96GBメモリを搭載した「H240vm」か、これにFC対応を追加した「H240vm-FC」を用意。データストアでは、NFS/iSCSI/FCなどのプロトコル、ディスク性能、容量(数十GB~数十TBまでさまざまなボリュームを用意)などを選択でき、ネットワークではインターネットVLANかプライベートVLANが選べる。

 「用途としてはさまざまあると思うが、代表的な例としては、オンプレミスで構築していたプライベートクラウドをGIO上に構築し、必要に応じてGIOコンポーネントサービスのサーバー・ストレージとも連携可能な『プライベートクラウドアウトソーシング』や、Site Recovery Manger(SRM)によるDR環境の構築などが挙げられる」(時田氏)。

VWシリーズの特徴VWシリーズのメニュー

利用シーン例

 そのほか特長としては、OS、仮想アプライアンス、業務ソフトなど、今回の新サービス上で利用可能なソフトを集めたソフト配信ポータルを提供する。さまざまなISVのアプリケーションを取りそろえることで、ユーザーが迅速にソフトを調達できる環境、あるいはISVがオンプレミス以外の市場へライセンスを提供できる環境を整備。

 「ここで提供するのは、SIに必要なミドルウェア、アプリケーションなど。それらをインフラを含めて動作検証・動作保証して提供する。仮想アプライアンス、VMイメージなどのインストールイメージ、管理機能などを提供することで、システム構築スピードを向上する」(同氏)という。

 販売戦略としては、ソリューションパートナーとともにエンタープライズニーズに応え、またVMwareやMicrosoftなどのテクノロジーパートナーとの協業を密にしていく。加えて、SRMを用いたDRソリューションにおいては、調査、検討、評価、試行、導入までをワンストップに支援するため、パートナーとのバリューチェーンを構築するとした。

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(川島 弘之)
2012/5/23 13:37