「ネティーザ製品はIBMの穴にはまる」、ネティーザと日本IBMが統合に向けたビジネス状況を説明


日本ネティーザの代表取締役 法華津誠氏
日本IBM ソフトウェア事業 理事 インフォメーション・マネジメント事業部長 俵雄一氏

 日本ネティーザ株式会社(ネティーザ)と日本アイ・ビー・エム株式会社(日本IBM)は26日、報道向けの説明会を開催。ビジネスの現状や統合へのロードマップを、日本ネティーザの代表取締役 法華津誠氏と、日本IBM ソフトウェア事業 理事 インフォメーション・マネジメント事業部長 俵雄一氏が説明した。

 米IBMが、DWH(データウェアハウス)アプライアンスの専業ベンダーだった米Netezzaの買収を発表したのは、2010年の9月。その後、2010年11月には買収完了が発表され、国内でもネティーザと日本IBMが共同でビジネスを進めるようになっているが、買収完了以後も国内での販売・サポート活動は継続されており、法華津氏はその状況を「一言でいうと、今までと変わらない」と表現する。

 ただし、1つだけ大きく変わったのは、日本IBMという、巨大なパートナーが加わったこと。ネティーザが統合される予定の、日本IBMのインフォメーション・マネジメント事業では、製品カットから業種カットに営業体制を変更しており、これによって「いわば、すべての営業がネティーザ製品を扱える」(俵氏)体制が整ったのだ。もちろん、日本IBMのハードウェア、サービスといったほかの部門でも、自らのソリューションの中にネティーザ製品を組み込んで営業活動を行えるため、「営業力という意味ではネティーザの大きなパートナーになる」と、俵氏は現状を説明する。

 ただし、体制ができても、関心が低ければ意味はないが、法華津氏によれば、両社統合の過程で、「日本IBMの営業にネティーザ製品を説明するためのセミナーを開催すると非常に盛況」とのことで、日本IBM側でもネティーザ製品への興味は非常に高く、真剣なのだという。

 その理由の1つに、日本IBMのポートフォリオに対して、ネティーザ製品がかっちりとはまる、といったことが挙げられる。現在の日本IBMにも、統合システムの「IBM Smart Analytecs System(ISAS)」や、ソフトウェアベースの「IBM InfoSphere Warehouse」などDWH製品はあるが、「PoCをお客さまとしてみると、DWHに特化した処理では圧倒的にネティーザのパフォーマンスがすごいことが実感できた」(俵氏)のだ。

 もちろん、ネティーザ製品とて万能なわけではなく、「OLTP的な更新系の処理がある場合など、ISASの方が適用しやすい場合もある」(俵氏)。しかし、純粋なDWHソリューションとしてはネティーザ製品のパフォーマンスが優れているため、営業としてもネティーザ製品を無視するわけにはいかない。また事前に懸念された、ISASとネティーザ製品との競合も起こりにくく、日本IBMとしては単純にポートフォリオの強化を実現できたことになる。

DWH分野における、ネティーザ製品と日本IBM製品の位置付けネティーザのビジネス状況

 さらに別の側面では、日本IBMが持つ多種多様な製品・サービスと組み合わせることで、これまでにないソリューションを提供できるようになる可能性もあるという。一例として俵氏は、データベースセキュリティアプライアンス「IBM InfoSphere Guardium」がネティーザ製品に対応していることを挙げたほか、欧米では、統計/分析ソフト「IBM SPSS」とバンドルしての販売も行われているとのことで、ネティーザ製品単独では発揮しづらかった価値を、両社から提供していきたいとした。

 ただし、「従来ネティーザが持っていたオープン性については、そのまま維持したい」(法華津氏)としており、日本IBM製品との連携が強くなるとしても、SAS、SAPなど既存のテクノロジーパートナーとの関係は維持していくとの姿勢を強調する。

 パートナーとの関係という視点では、ネティーザ製品の販売を担ってきたチャネルパートナーとの関係も、そのまま維持するとのこと。法華津氏は、「今までのチャネルパートナーとの関係も維持・強化したいと考えており、日本IBMの立場とどうすりあわせていくかを考えて進めていく。2011年中の営業プロセスの統合を予定しているが、こうした件が成り立つまで、統合プロセスは終わらないと考えている」と述べ、既存パートナーへのサポート継続を表明した。

 「統合後もNetezzaのブランド名は製品に残る。製品についても、IBMとの統合でかなりの投資をしてもらっており、Netezzaのブランドを残しつつ、その特徴である簡易性やパフォーマンス、TCOの低さといった特徴を残してロードマップを続けていく」(法華津氏)。

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