シャープ子会社、ドキュメント・アプリ共有が可能な会議支援クラウドサービス「TeleOffice」


シャープ株式会社 常務執行役員 国内営業統轄兼国内営業本部長の岡田守行氏

 シャープの100%子会社iDeepソリューションズ株式会社は1月17日、クラウド上に保存した資料を各種が端末の画面で閲覧できる会議支援プラットフォーム「TeleOffice」を開発したと発表。同日提供を開始した。

 親会社シャープ株式会社 常務執行役員 国内営業統轄兼国内営業本部長の岡田守行氏は、「シャープでは2年前にソリューション事業化プロジェクトを発足した。法人向けソリューション事業の拡大を目指し、クラウド事業をその中核に据える。iDeepソリューションズは、当初からグローバル市場を視野に入れて2010年9月1日に設立した」と挨拶。iDeepソリューションズは、今後のシャープのクラウドソリューション事業の中核企業として育てたい考えを明らかにした。現在、iDeepソリューションズの資本金は4億5000万円、シャープの100%子会社で従業員は約100名。連結対象子会社としてiDeepグローバルラボ株式会社を持つ。

 TeleOfficeは、資料・ビデオ、手書きメモ、ホワイトボード、アプリケーションの共有機能、投票機能などを提供。資料の表計算シートに手書きでメモや印を書き込んだり、情報端末の画面上で表計算シートなどの自由な縮小・拡大が可能だ。テレビ会議機能は持たないが、Cisco Systems(旧Tandberg)、Polycom、LifeSize、ソニーなどAPIが公開されているテレビ会議システムの端末と組み合わせた利用ができる。

Teleofficeの主要機能Teleofficeの概念図
Teleofficeクラウドサービス全体図UIはSilverlight 4ベースで開発。表計算シートの上に手書きでメモや印が書ける

 また、TeleOfficeはマルチクライアント対応を特徴とする。iDeepソリューションズの代表取締役社長兼CEO 中根 滋氏は、「これまでの15年間はPCがITをけん引してきたが、これがスマートフォンとタブレットに置き換えられようとしている。今後欧州市場ではNokia端末、つまりSymbianへの対応が欠かせないし、米国市場ではビジネス用途ではBlackBerryへの対応が欠かせない」と述べ、クライアントソフトは、現在対応するWindows 7/Vista/XP、iOS(iPhone/iPad)のほか、Android、Symbian、BlackBerry版を開発中であるとした。

 マルチクライアントが特徴ではあるが、推奨クライアント機としてタッチパネル対応の16.4型ワイドTFTカラー液晶(1920×1080ドット)搭載のWindows 7ノートPC「TeleOffice A4 Supre Tablet(PC-BM10)」を用意。重量は約4kgとモバイルには向かないが、表計算シートなども読みやすい大型液晶を採用し、TeleOfficeがもっとも快適に利用できる端末として提供する。また、60型液晶ディスプレイを採用した「TeleOffice 60" Super Boadrd(PN-L601B)」も

 提供形態は、パブリッククラウドと、グループクラウドの2種。グループクラウドは企業のイントラネットに対応し、VPN専用線ネットワーク経由でサービスを提供する。

 第一弾ユーザーとしてシャープが2010年8月より導入を開始しており、すでに大阪にグループクラウドセンターが本番稼働を開始。東京では、グループクラウドとパブリッククラウドを兼ねたクラウドセンターを現在構築中で、1月末のサービスインを予定している。国内よりも小規模ながら、米テキサス州でもクラウドセンターが稼働中だ。今後は米国のクラウドセンターの拡大、欧州、中国、インドをメインとしたアジアパシフィック地域へのクラウドサービス提供を予定している。

iDeepソリューションズCEOの中根滋氏。右手に持っているのはTeleOfficeクライアントをインストールしたiPhone。左手に持っているのはやはりクライアントをインストールしたAndroidOSベースのシャープの電子書籍リーダー端末GALAPAGOSの5.5型モバイルモデルのようだ(Android OSは対応準備中)TeleOfficeのシャープ社内での利用状況
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(工藤 ひろえ)
2011/1/18 14:22