3PARは「Converged Infrastructure」の主要要素に、日本HPが方針を説明


米HP エンタープライズサーバー・ストレージ・ネットワーク HP Storageマーケティング・ディレクターのクレイグ・ヌネス氏

 日本HPは6日、9月27日に買収完了した3PARに関する今後の方針を説明した。

 ここ数年、HPはストレージ分野への投資を続けている。2008年に買収した米LeftHand製品がベースとなるiSCSI SANストレージ「HP StorageWorks P4000」、2009年8月に買収したIBRIX製品がベースとなるスケールアウトNAS「HP StorageWorks X9000」、ならびにDisk to Disk(D2D)の重複排除が可能な「HP StoreOnce」など、ストレージ製品を幅広く拡充してきた。

 この狙いを米HP エンタープライズサーバー・ストレージ・ネットワーク HP Storageマーケティング・ディレクターのクレイグ・ヌネス氏は「現在、HPはディスクストレージ分野でシェアNO.1だが、外付けストレージ分野に限るとシェア11.3%で第3位。ここでトップをとるために買収を進め、ポートフォリオを拡充してきた」と説明。3PARもこの流れに沿ったものだとした。

 特に3PARはクラウドに向けた製品として訴求する考えだ。現在、ITの世界は「仮想化」「クラウド」という2つの潮流の中にある。3PARはクラウドで求められる「俊敏性」「効率性」といった要求に応えるものとして訴求していく。「IT as a Serviceの世界では、セキュアなマルチテナント環境が必要となる。3PARにはそのための機能がすでに実装されている。効率性の面では、シンプロビジョニングや自動階層化といった先進技術を備え、運用コストを50%削減可能。運用の自動化機能も備え、ストレージ管理の工数を90%削減できるようになっている」(ヌネス氏)。

 今後、3PAR製品は「Converged Infrastructure」の戦略の中へ組み込まれていく。Converged Infrastructureは、コンピュータ、ストレージ、ネットワーク、電源冷却およびIT設備の既存リソースを統一管理することで、仮想化され、高度に自動化された弾力性のあるデータセンターを実現する構想で、ブレードサーバーを軸としたパッケージ製品「BladeSystem Matrix」、3Comのネットワーク製品、そして今回の3PAR製品を総合して提供していくことになる。

3PAR製品の概要Converged Infrastructureの主要要素に

 そのために既存製品と3PARの統合は速やかに進めなければならない。同氏は「ストレージ製品間での統合、BladeSystem Matrixとの統合、Converged Infrastructureへの統合、とやることは多いが、3PAR製品はグローバルでトップ10のサービスプロバイダに導入されるなど、すでに高い評価を受けている。当社の戦略にとって、プラスの影響となるのは間違いない。さらに付け加えるのならば、3PARよりも購買力のあるHP、顧客にとっても信頼の高いHPに製品が移ることで、より高いベネフィットをお客さまへ提供できるはずだ」と自信をにじませた。

関連情報