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EMC、スケールアウト対応のハイパーコンバージドインフラ「VxRail Appliance」

 EMCジャパン株式会社は15日、ハイパーコンバージドインフラのアプライアンス製品「VxRail Appliance」ファミリを提供開始した。米国で2月に発表した製品であり、EMC傘下のコンバージドインフラ製品企業VCE社の開発による。価格は「VxRail 60」の最小構成で750万円(税別)より。国内販売は、株式会社ネットワールドおよびネットワンシステムズ株式会社から。

ハイパーコンバージドインフラのアプライアンス製品「VxRail Appliance」ファミリ

 VCEはこれまで、CiscoのUCSサーバーやスイッチ、VMwareのソフトウェア、EMCのストレージアレイを組み合わせたコンバージドインフラ(垂直統合製品)「Vblock」を提供してきた。今回のVxRailはそれと異なり、2Uの筐体に4ノードのサーバーとストレージを搭載し、規模に合わせて複数台でクラスタを構成するハイパーコンバージドインフラ製品となっている。これにより、小さい規模でスタートして、後からアプライアンスを追加して拡大するといったことができる。

 また、アプライアンスもCPUやストレージ容量などの組み合わせを選べるconfigure to order(CTO)型で販売する。2016年第2四半期には、ストレージとしてSSDを搭載したオールフラッシュモデルも発売予定。

 同日の記者発表会に出席した米EMCのギル・シュナーソン氏(VxRailおよびコンバージドインフラストラクチャ製品担当バイスプレジデント 兼 ジェネラルマネージャー)は、「これまでのVblockは1つの構成のみだったが、顧客が求めているため、VxRailでは柔軟性をもたせた」と語った。

米EMC ギル・シュナーソン氏(VxRailおよびコンバージドインフラストラクチャ製品担当バイスプレジデント 兼 ジェネラルマネージャー)
configure to order(CTO)型で販売する。右はハイブリッドノードの構成、左はオールフラッシュノード(2016年第2四半期予定)の構成

 VMwareのソフトウェアとして、仮想化ハイパーバイザーのvShpereや、統合管理のvCenter Server、ストレージ仮想化のVirtual SAN(VSAN)を搭載する。

 特に、ハイパーコンバージドインフラ製品としてVblockと大きく異なるのが、VSANにより複数台のアプライアンスのストレージを1つのSoftware-Defined Storage(ソフトウェアで定義されたストレージ)として利用することだ。シュナーソン氏によると、2月に発表されたVSAN 6.2により、エンタープライズ向けデータサービスとして利用できるものとなったという。ネットワーク経由の冗長化のためのイレージャーコーディングなどにも対応し、オールフラッシュでは重複排除や圧縮にも対応する。

 また、VMwareと共同開発した自動化機能により、クラスターにアプライアンスを追加すると、電源を入れて5分で自動構成され、新しいアプライアンスの自動ディスカバリーも行われる。vMotionによるワークロードの移動までも15分で行われる。アプライアンスの取り外しにも自動的に対応する。

 EMCではVxRailをさまざまな用途で想定している。シュナーソン氏はそのうち特に、VDI(仮想デスクトップインフラ)や、クラウドのゲートウェイ、ITに詳しい人のいない拠点に置いて自動化で管理する分散エンタープライズシステムの3つのユースケースを紹介した。

アプライアンスを追加すると自動的に設定されてvMotionも行われる
VxRailの用途。VDIや、クラウドのゲートウェイ、分散エンタープライズシステムなど

 VxRailのソフトウェア部分であるVMwareハイパーコンバージドソフトウェアについては、ヴイエムウェア株式会社(VMware)の桂島航氏(チーフエバンジェリスト)も解説した。

 特徴は、vSphereやvCenter Server、VSANが緊密に統合されていること。これにより、一貫したサポートが受けられるほか、VSANがハイパーバイザーのカーネルの中で動くことにより高いパフォーマンスを実現するという。

 また、管理をシンプル化。ストレージの管理にボリュームは必要なく、VSANの1つのストレージプールから、ポリシーベースの自動化により仮想マシン単位でサービスレベルを定義するという。

 高可用性の面では、ラック単位の障害のサポートや、サイト間をまたいだクラスタ構成などの機能も紹介された。

ヴイエムウェア株式会社 桂島航氏(チーフエバンジェリスト)
vSphereやVSANなどが緊密に統合され、一貫したサポートや高いパフォーマンスを実現するという
ポリシーベースの自動化により管理をシンプル化
ラック単位の障害のサポートや、サイト間をまたいだクラスタ構成などの機能

 記者発表には、株式会社ネットワールドとネットワンシステムズ株式会社も登場した。ネットワールドの森田晶一氏(代表取締役社長)は、サポートなどを含めた実売価格の参考として、最下位機種にソフトウェアライセンスや5年間の24時間368日保守などを含めだトータルシステムを1200万円程度という数字を示した。

 ネットワンシステムズの川満雄樹氏(ビジネス推進本部 第2応用技術部 プラットフォームチーム エキスパート)は、ハイパーコンバージドインフラではネットワークが重要なため10Gビットイーサネットが標準となっていると説明し、ネットワークの設計や運用のノウハウを自社の強みとして語った。

株式会社ネットワールド 森田晶一氏(代表取締役社長)
ネットワンシステムズ株式会社 川満雄樹氏(ビジネス推進本部 第2応用技術部 プラットフォームチーム エキスパート)

(高橋 正和)