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富士電機と日本IBM、「自治体情報セキュリティクラウド」提供で協業

 富士電機株式会社と日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)は15日、総務省が全国の自治体に導入を推進する「自治体情報セキュリティクラウド」の構築について、協業を開始すると発表した。

 総務省では、2017年7月からマイナンバー制度の本格運用として自治体間の情報連携開始を控え、個々の自治体における抜本的な情報セキュリティ対策強化に取り組んでおり、2015年11月に同省の検討チームが対策の方向性について報告を取りまとめた。

 総務省による対策強化の内容としては、各自治体において、内部の業務系ネットワークと外部に接続するインターネットのネットワークを分割し、強固なネットワーク構成を構築することと、都道府県単位で、県および県下市町村がインターネットに接続する入口を1か所に集約し、外部との接続に対して高度なセキュリティ監視・対策を行う「自治体情報セキュリティクラウド」を整備することが挙げられている。

 富士電機と日本IBMでは、それぞれの事業が持つ強みを活かし、サイバー攻撃への対応を広範囲にカバーする高度なセキュリティ対策と同時に、職員の行政業務の効率・利便性を維持する、バランスの優れたネットワーク環境を実現するための「自治体情報セキュリティクラウド」を共同で構築する。

 現状、各自治体では個別にインターネットとの接続を管理しており、自治体によってセキュリティレベルに相違がある。構築する自治体情報セキュリティクラウドでは、インターネットとの外部接続についてセキュリティ監視を集約して集中的に対応。システムは都道府県単位で設置され、各市区町村はこれを利用することにより、全自治体において均一かつ高度なセキュリティ対策が実現できる。

 富士電機は、クラウドによる自治体向けの業務システムの導入・運用の豊富な実績に基づく行政業務のノウハウを活かし、高度なセキュリティ対策時において分割された内部・外部ネットワークを円滑に連携して端末の簡素化を図るなど、行政事務の業務効率を維持するための仕組みを提供する。

 日本IBMは、IBMの持つ世界規模のセキュリティ関連機関により、世界レベルのセキュリティ情報、SOC(セキュリティオペレーションセンター)による高度なセキュリティ監視・解析の技術を提供する。

 都道府県単位でのクラウド(ASPサービス)導入となるため、新たな機器導入等が不要で、希望の時期に短期間でサービスの利用を開始することが可能。外部のインターネット経由で受領したメールや電子申請などに添付されたファイルから、標的型攻撃などセキュリティの脅威を取り除く(無害化)処理を行うサービスを組み込んでおり、高度なセキュリティ環境下でも、自治体業務の効率維持・向上に貢献するとしている。

 両社では、15日から販売を開始。2016年度に200億円の受注を目指す。

(三柳 英樹)