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XML DBで部門間情報連携を推進、小松ウオールが「Oracle Database Appliance」を採用

 日本オラクル株式会社と株式会社アシストは3日、小松ウオール工業株式会社(以下、小松ウオール)が、日本オラクルのデータベースアプライアンス「Oracle Database Appliance」を採用したと発表した。小松ウオールでは、新たな部門間情報連携基盤として利用している。

 小松ウオールは、建築物内部の空間を仕切る間仕切(パーティション)製品を製造・販売している企業。同社の技術部門では、多様な顧客ニーズに対応するために、製品に関する情報を広く共有・再利用するための基盤を構築していたが、技術部門から製造部門へ渡される設計図面などは依然として紙が多く、また標準とは異なる製品の場合、製造部門のシステムに製品の属性情報を再入力する、といった手作業が発生していたため、両部門の持つ設計図面に差異が生じるケースもあったという。

 そこで、技術部門と製造部門の間でモノ作り情報をシームレスに連携・共有するための、新たな情報基盤を構築することを決断した。しかし、顧客ニーズによって変化する製品属性情報を製造工程のシステムで取り扱うには、従来のデータベースの表構造では対応できない。このため、製品の属性をXML形式でデータベースに格納し、設計図面と製造工程を迅速に連携させ、新しい仕組みによって段階的に拡張していく計画を立案。こうしたニーズを満たす製品として、2014年12月にOracle DatabaseおよびOracle Database Applianceの採用を決定した。

 小松ウオールでは、Oracle Databaseをほかの業務システムでも長く利用しているほか、XMLデータベースとして利用した際も従来と同じ運用が可能である点を評価。また、ハードウェアを含むアプライアンス製品のOracle Database Applianceについては、迅速に導入可能なことに加え、実際に使用するコア数に応じて購入ライセンスを拡張できる「Capacity on Demand」ライセンスの仕組みにより、段階的な投資を実現できる点も評価したという。

 従来は、新規データベース基盤の構築において、設計から製品選定、導入、運用テストまで少なくとも半年かかっていたというが、今回は、採用から2カ月目の2015年1月末に、データベースへのデータ投入作業を開始できたとのこと。

 今後も、活用状況を見ながら段階的にシステムを拡張する計画で、各業務アプリケーションで分散しているデータベースを、徐々にOracle Database Appliance上へ集約し、運用作業の効率化や各業務データの連携などを行っていく予定だ。

石井 一志