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リコー、複合機のデータを蓄積・分析するプライベートクラウド基盤にオラクル製品を採用

SPARC T5サーバーやZFS Storage ZS3など

 日本オラクル株式会社は30日、株式会社リコーが、世界数百万台規模で稼働する複合機のデータを蓄積・分析するためのプライベートクラウド基盤に、日本オラクル製品を採用したと発表した。

 リコーでは、世界の100を超える国・地域の顧客が使用している複合機の稼働状況や設定情報を顧客の管理者にレポートするサービス「@Remote」を提供している。このデータを蓄積・分析するためのプライベートクラウド基盤に、UNIXサーバー「Oracle SPARC T5」、ストレージ「Oracle ZFS Storage ZS3」などを採用した。

 具体的には、「@Remote」から得られたデータを蓄積するオペレーショナルデータストアとしてZFS Storage ZS3を、データ分析のためのデータウェアハウス(DWH)としてSPARC T5とZFS Storage ZS3を導入。社内ネットワークからの高速アクセスを実現し、ビッグデータを全社で効率的に蓄積・分析できる基盤構築に成功したとのこと。

 また、増大し続けるデータを効率よく処理するために、データ分割機能「Oracle Partitioning」や、データ圧縮機能「Oracle Advanced Compression」「Hybrid Columnar Compression」を利用し、データを実容量の30%以下に圧縮。将来のデータ容量の増加にも容易に対応できる、拡張性を持ったシステムを構築した。

 採用にあたっては、SPARC T5サーバーとZFS Storage ZS3を40Gbpsの帯域を備えたInfiniBandネットワークで接続することで、データ転送速度の向上や、ストレージI/Oのボトルネック解消を行える点を評価。膨大なデータ容量にも対応可能なHybrid Columnar CompressionをZFS Storage ZS3がサポートしていること、SPARC T5が、プロセッサあたり最大16コア、最大128スレッド、システムあたり最大256スレッドを同時並列に処理でき、ビッグデータ分析における高いトランザクション要求にも対応できることなども評価されている。

 なお、グループ全体で共通利用できるプライベートクラウド基盤を導入したことで、「@Remote」で収集したデータの活用件数が従来比2~3倍に増え、ビッグデータを顧客満足度向上につなげるためのビジネスインフラが構築できたとのことだ。

石井 一志