ニュース

シトリックス、「XenDesktop 7」「XenMobile」などモビリティ戦略を加速する新製品群

モバイル活用のための製品がそろい踏み

 シトリックス・システムズ・ジャパン株式会社(シトリックス)は6月11日、デスクトップ仮想化製品の最新版「XenDesktop 7」と、モバイルデバイス管理(MDM)製品「XenMobile Enterprise Edition」、データ共有サービス「ShareFile」の新機能を発表した。5月22日に米国で開催されたイベント「Citrix Synergy」における発表内容の、日本での発表となる。いずれも日本国内では7月10日より提供開始となる。

デスクトップ仮想化製品「XenDesktop 7」

 XenDesktop 7では、画面転送技術「HDX Mobile」をサポート。H.264ベースの高圧縮技術によって、WANトラフィックを2倍効率化し、HDビデオを3G回線でも利用できるという。モバイル端末でのタッチスクリーンでのスワイプなどの操作を、仮想デスクトップ側でスクロールなどの操作に変換する機能も持つ。

 また、導入や管理をシンプル化。いままでアプリケーションのXenAppファームとデスクトップのXenDesktopサイトに分かれていた管理体系を、ひとつのFlexCast Management Architecture(FMA)に統合し、運用の手間を削減した。コンソールも従来20ほどあったものが、設計フェーズの「Studio」と運用フェーズの「Director」の2つに集約された。インストールウィザードも、8回のクリックにより20分でインストールできるように簡略化されたという。

 そのほか、Netscalerの機能によりサーバーとデバイス間のトラフィックを分析する「HDX Insight」機能をサポート。Windows Server 2012やSystem Center 2012、App-V 5、Windows 8にも対応した。

 エディションは、「VDI」「App」「Enterprise」「Platinum」の4つ。サーバー共有アプリケーション専用の「App」は新設となる。希望小売価格は、1ユーザー/デバイスのライセンスが1万7100円から、1同時接続ライセンスが3万5100円から。同時に、XenApp 6.5にもFuture Pack 2が無償で提供される。

XenDesktop 7を説明するシトリックス テクノロジー&ソリューションズ シニアマネージャー 竹内裕治氏
XenDesktop 7の4つのエディション
従来は管理がアプリケーションのXenAppファームとデスクトップのXenDesktopサイトに分かれていた
管理をFlexCast Management Architecture(FMA)に統合し、運用の手間を削減

MDM製品「XenMobile」とファイル共有サービス「ShareFile」のエンタープライズ版

 XenMobile Enterprise Editionは、MDM製品「XenMobile」のエンタープライズ向け製品だ。端末内で業務領域とパーソナル領域を分けるコンテナ技術「MDX(Mobile Desktop Experience)」を備える。Enterprise Editionには、MDX技術により社内のメールやカレンダーなどに安全にアクセスするモバイルアプリ「Worx Mobile Apps」が含まれる。また、アプリをMDXに対応させるための「Worx Apps SDK」も提供されており、MDX対応アプリを提供する「Wrox App Gallery」も公開する。XenMobile Enterprise Editionの希望小売価格は、1デバイスあたりの年間ライセンス9750円から。

 同時に、企業向けのファイル共有サービスである「ShareFile」にも機能が追加される。新しい「ShareFile Storage Zones」は、Citrixが世界8箇所に設置したクラウドストレージと企業のオンプレミスのストレージ、およびそのハイブリッド環境を保存場所として選択できる。Windows Azureにも対応する。また、「ShareFile StorageZone Connectors」により、モバイルデバイスから社内のSharePointサーバーやネットワークドライブにアクセスできるようになる。XenMobileとShareFileを組み合わせることにより、企業内のデータを安全に共有し表示や編集ができるという。価格は発売時に公表される予定。

XenMobile Enterprise EditionとShareFileを説明するシトリックス 事業開発本部 プロダクトマーケティング部 シニアプロダクトマーケティングマネージャー 的場謙一郎氏
MDM製品「XenMobile Enterprise Edition」
企業内のメールやスケジューラーに安全にアクセスするモバイルアプリ「Worx Mobile Apps」
企業向けファイル共有サービス「ShareFile」と「ShareFile Storage Zones」
モバイルから社内のデータにアクセスする「ShareFile Storage Zones Connectors」

 発表会において、シトリックスの代表取締役社長であるマイケル・キング氏は、ターミナルサービスMetaFrameの時代から、仮想化の時代を経て、現在のCitrixはモバイルワークスタイルの第3世代にあると説明。日本でフォーカスする分野として「デスクトップ仮想化」「ネットワーキング&クラウド」「モバイルワークスタイル」の3つを挙げた。

シトリックス 代表取締役社長 マイケル・キング氏
米Citrix社CMOスティーブ・ダヒーブ氏

(高橋 正和)