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バラクーダ、クラウド環境への無料データバックアップサービス

日本市場に向けた新戦略の重点施策として提供

 バラクーダネットワークスジャパン株式会社(以下、バラクーダ)は3月15日、日本国内における専用データセンターの稼働開始とあわせ、4月1日からクラウド環境へのデータバックアップ無料サービス「バラクーダ・フリークラウドサービス」を提供すると発表した。

バラクーダネットワークスジャパン 執行役員社長の林田直樹氏
バラクーダネットワークスジャパンの製品ポートフォリオ

 「バラクーダ・フリークラウドサービス」の発表に先立ち、バラクーダ 執行役員社長の林田直樹氏が同社の日本市場での新戦略について説明した。「当社は、日本においてファイアウォールアプライアンスの企業としての認知度が高いが、実はWAF(Web Application Firewall)からWebフィルタ、ロードバランサー、SSL VPN、さらにはバックアップやメールアーカイブまで、各種セキュリティとストレージの総合的なソリューションを提供する世界唯一のアプライアンスベンダである。この強みを生かし、日本市場における売り上げを今後2年で3倍に拡大させる。また、販売シェアでは、メールセキュリティとWAFアプライアンスでトップシェアを維持するとともに、バックアップについては、ミッドマーケット向けアプライアンス市場でトップシェア獲得を目指す。そして、セキュリティとストレージの総合的アプライアンスベンダーとしてのブランドイメージをさらに強化していく」との方針を示す。

 この目標達成に向けて、同社では日本市場で4つの新戦略を展開するという。まず1つめがパートナー戦略。「既存一次代理店との連携および二次代理店網の充実を図っていく。具体的には、一次代理店配下にアサインし、製品群ごとに戦略的に二次店網を開拓することで、一次代理店の安定的な売り上げ向上を目指す」(林田氏)としている。

日本市場向けの新たなプロダクト戦略

 2つめのプロダクト戦略では、すべての製品のユーザーインターフェイスを日本語化・共通化する。「すでに、ほとんどの製品が日本語化に対応できているが、今後は、IT管理者の少ないミッドマーケット向けに、よりわかりやすく、見やすいユーザーインターフェイスを目指す。例えば、統計グラフなどを活用し、ビジュアルに状況を把握できるようにすることで、管理者のストレスを軽減していく。また、ユーザーインターフェイスの共通化を図ることにより、当社の他製品もあわせて導入しやすくする」と、林田氏は説明する。

 3つめはサポート戦略。「日本法人による製品輸入と着荷試験を行うことで、品質管理を強化し、ハードウェアの初期不良ゼロを目指す。あわせて、サポート体制についても、SEとテクニカルサポートの陣容強化を図り、よりきめ細かいサポート対応を実施する。また、日本オフィスのラボ施設を拡充し、製品のデモや検証が行える体制を構築する」と、サポート体制のさらなる強化・拡充に意欲を見せた。

「バラクーダ・フリークラウドサービス」の概要

 そして、4つめの戦略となるのが、今回発表する「バラクーダ・フリークラウドサービス」だ。「当社では、2010年からバックアップアプライアンスの『Barracuda Backup』製品群を提供している。同製品群は、LAN内のすべてのサーバーのバックアップを自動的に行うオールインワンのソリューションで、データ重複排除機能により、圧縮した状態でセキュアな大容量ストレージに保存し、面倒な管理が不要な点が特徴。今回のサービスでは、この『Barracuda Backup』のユーザーに、クラウドストレージを最大1TBまで無料で提供する」と、林田氏は「バラクーダ・フリークラウドサービス」の概要を説明する。

 具体的には、容量1TBから82TBの「Barracuda Backup」アプライアンス6モデルのいずれかを購入した顧客すべてに、クラウドストレージを最大1TBまで無料で提供する。また、すでに保存容量が1TB以上の「Barracuda Backup」アプライアンスを利用している顧客に対しても同様に、同サービスを適用するという。

 林田氏は、「1TB規模のクラウドサービスを無料で提供しているアプライアンスベンダおよびサービスベンダは、現時点で当社のみ。また、バラクーダ米国本社でも提供されていないバラクーダ日本法人独自のサービスとなる。運用管理は当社が受託し、国内データセンターを利用して提供するため、安心・安全に利用できる。この新サービスを活用することで、従来のバックアップアプライアンスに加え、クラウドにバックアップデータを二重化することが可能となり、データ保全性や事業継続性をさらに強化することができる」と、新サービスのメリットを訴えた。

(唐沢 正和)