ヴイエムウェア、クラウド向けに拡張性やvMotionを強化した「VMware vSphere 4.1」
Essentials Plus/Standardの両エディションでvMotionが利用可能に
ヴイエムウェア株式会社は14日、仮想化ソフトウェア新版「VMware vSphere 4.1」を出荷すると発表した。クラウド環境での広範な利用に対応できるよう、性能や拡張性を強化するとともに、中堅・中小企業(SMB)向けの強化・拡充が行われている。
統合仮想化プラットフォームであるVMware vSphereでは「Essentials」「Essentials Plus」「Standard」「Advanced」「Enterprise」といったエディションがラインアップされているが、今回提供が開始されるVMware vSphere 4.1では、アプリケーション数が30以下の企業向けとして最も販売数の多い「Essentials」の価格を改定。1CPUあたり約1万円での利用が可能になったという。
さらに、SMB向けの「Essentials Plus」と「Standard」両エディションに、ライブマイグレーション機能であるVMware vMotionが追加された。これによって、ワークロードの迅速かつ柔軟な移行が可能になるため、物理システムを効果的に統合し、リソースプールを活用できるようになる。なおvMotion自体についても、移行処理の速度を5倍に高速化。最大8つの同時移行処理をサポートできるよう、機能拡張が行われた。
価格は、「Essentials」が6万8900円、「Essentials Plus」が50万4900円から。
クラウドなど大規模環境向けの拡張としては、単一のリソースプールとして扱える仮想マシン数を、従来の2倍以上に拡張。管理ツールである「vCenter Server」の機能も強化され、最大1万の仮想マシンを同時に管理できるようになった。
加えて、新たなメモリ圧縮技術によって、最大25%の性能向上を実現。新たなネットワークとストレージのI/O制御機能を用いることにより、QoS機能も向上させている。
また、無償で提供されていた「ESXi シングル サーバ エディション」は、「VMware vSphere Hypervisor」と名称をあらため、引き続き無償提供する。
また管理製品のポートフォリオが拡張され、動的な仮想化システムの管理を自動化する製品が追加された。
「VMware vCenter Configuration Manager」は、「EMC Ionix Application Stack Manager」「EMC Ionix Server Configuration Manager」の名称で提供されていた製品で、ポリシーベースのコンプライアンスを実現するとともに、仮想・物理のサーバーとワークステーションで手動の構成タスクを自動化可能。構成の基準からのずれを回避できるという。
一方の「VMware vCenter Application Discovery Manager」は、「EMC Ionix Application Discovery Manager」と呼ばれていた製品。アプリケーションの依存関係をマッピングし、データセンターの移動時間の短縮、インフラ統合の厳密な計画、ビジネス上重要度が高いアプリケーションの確実な仮想化を実行するとのこと。
両製品はいずれも、国内では2011年の販売を予定する。
同時に、vCenterのライセンス体系を改定し、仮想マシンあたりのライセンスモデルを導入する。新たな体系では、物理ハードウェアの数にかかわらず、管理する仮想マシン数に応じてライセンス費用が発生することから、ライセンス管理の煩雑さを軽減できるとしている。新体系の適用は9月1日からで、vCenter製品のみを対象にする。