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東芝、NEC、富士通が理研のAI研究機関との間で「連携センター」設立

 理化学研究所の革新知能統合研究センター(理研AIP)は9日、株式会社東芝、日本電気株式会社(NEC)、富士通株式会社の3社との間で「連携センター」を開設することを決定した。おもにAI関連の研究で協力していく。設置期間は4月1日~2022年3月31日。

 理化学研究所の各研究センターでは、企業からの提案で「連携センター」を設ける制度がある。理研AIPは、文部科学省が推進する「人工知能/ビッグデータ/IoT/サイバーセキュリティ統合プロジェクト」事業の研究開発拠点として2016年4月に設置されたが、今回この「連携センター」制度を利用し、産業界との共同研究を加速させる。

 設置されるのは、「理研AIP-東芝連携センター」「理研AIP-NEC連携センター」「理研AIP-富士通連携センター」の3つ。それぞれのセンターが独自のテーマで研究を行う。

 東芝のセンターでは、研究課題の1つに「プラント生産性向上」を設定。ビッグデータに基づいた工場・発電所の自立操業の可能性を模索する。

 NECのセンターのテーマは「少量の学習データで高精度を実現する学習技術の高度化」。全体のデータの蓄積が少ない状況において、どのように異常値を発見・処理できるか、研究する。

 富士通のセンターは「ロバストな機械学習」を研究する。少量・不完全なデータ環境での機械学習精度向上、機械学習が示す予測結果の根拠説明力の拡大などを目指す。