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PBC、Azure連携を強化したERPパッケージ「Microsoft Dynamics NAV 2017」

日本版をはじめ中国、香港、タイ、ベトナム向けを提供

 株式会社パシフィックビジネスコンサルティング(以下、PBC)は、Microsoftの中堅・中小企業(SMB)向けERPソフトウェア「Microsoft Dynamics NAV」の新版として、「Microsoft Dynamics NAV 2017」の日本版、中国版、香港版、タイ版、ベトナム版を4月1日より販売開始する。

 Dynamics NAVはもともと、米Microsoftが買収したデンマークNavisionの製品で、国内でも英語版のライセンスは提供されているが、日本語版製品は日本マイクロソフトからは提供されておらず、PBCが日本向け機能をはじめとするローカライズを行って提供する、といった独特の形態で販売されている。

 Dynamics NAV 2017についても、Microsoftが2016年10月にリリースした英語版をベースとし、PBCが5カ国の商習慣に合わせた機能を追加して、各国の言語にローカライズした上で販売するとのこと。

 今回の新版では、機械学習機能であるAzure Machine Learningとの連携により、クラウドベースの予測分析機能を搭載した点が最大の特徴。ユーザーは機械学習の専門知識なしに直感的な操作で実行し、業務の最適化に役立てられるとのことで、これまでは担当者の勘と経験に頼って遂行されてきた売上/販売や在庫、資金繰りなどの予測業務がシステム化されるため、企画や意思決定などの業務に注力できるようになるとした。

 また、Outlookの中でDynamics NAV2017の画面を起動し、顧客の与信情報を参照したり、見積書・受注伝票を作成・送付したり、といった連携に対応。さらに、レポーティングツール「Power BI」をDynamics NAV 2017の画面内に埋め込んで分析画面として活用するなど、システムを切り替えずに一連の業務を遂行できるよう改善を行ったという。

 このほか、コーディング不要でユーザー自らがモバイルアプリを開発できる「Microsoft Power Apps」、システム間のデータ接続を直感的に設定できる「Microsoft Flow」とも連携対応したことにより、アプリケーション開発の垣根を取り払い、誰もが開発に参加できる環境を提供するとしている。

 なおPBCは今後、Azure Web AppsやAzure Bot Serviceを利用した、LINEをはじめとするコミュニケーションアプリとの連携や、予測精度をさらに高めたデータ生成ソリューションなど、Cortana Intelligence Suite、およびAzure Machine Learningを活用したさまざまな開発に着手する予定。

 あわせて、Microsoft Biztalk Server、Azure Service Busなどを活用し、Microsoft Dynamics NAVとSAP ERPやOracle ERP、Dynamics 365 for Operations、Microsoft Dynamics AX 2012 R3といった他システムとの連携基盤の構築を進めており、2017年夏より提供を開始する計画だ。

 PBCは、PBCは、タイ・ベトナムをはじめとする東南アジア諸国に進出する自動車関連製造業、製薬業・医薬関連業、組立製造業、食料品加工製造業といった日系の製造企業を主要ターゲットとし、Dynamics NAV 2017を訴求する考え。

 さらには、同社で実績のある製造・小売・貿易・保守メンテナンス・カーディーラーの各業種に特化したソリューションを、Microsoft Azure上で利用できるサービスとして順次提供していく。

 PBCが提供するDynamics NAV 2017向けモジュールの価格は、日本語、中国語(簡体字)、中国語(繁体字)、タイ語、ベトナム語の言語モジュールが各50万円。日本対応機能(Essentials Version)が50万円、日本対応機能(Extended Version)が150万円、中国対応機能(Essentials Version)が50万円、中国対応機能(Extended Version)が150万円、香港対応機能(Essentials Version)が20万円、タイ対応機能(Essentials Version)が100万円、ベトナム対応機能(Essentials Version)が50万円。これら以外に、別途Microsoft Dynamics NAVのライセンス購入が必要となる。